談話・コメント

麻生外務大臣談話

日ソ共同宣言署名50周年に際しての麻生外務大臣メッセージ

平成18年10月19日
  1. 1956年10月19日にモスクワにおいて「日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言」が署名されてから50年が経過したことを受け、本19日、麻生太郎外務大臣よりS.ラヴロフ・ロシア連邦外務大臣宛のメッセージを発出した。
     なお、ロシア側からは、本19日、モスクワにおいて、ラヴロフ外務大臣発麻生外務大臣宛のメッセージが発出される予定である。
  2. 麻生外務大臣からラヴロフ外務大臣宛に発出したメッセージは以下のとおりである。

    (1)50年前の今日、モスクワにおいて日ソ共同宣言が署名された。我が国と当時のソ連は、同宣言の発効により、戦争状態を終結させ、外交関係を回復させた。1956年当時、日ソ両国は、領土問題の最終的な解決について合意できなかったため、平和条約を締結することができなかった。しかし、同宣言は、両国間の平和条約締結に関する交渉プロセスの出発点を設定した基本的な法的文書として重みを持ち続けている。

    (2)我が国にとり、ロシアは、北朝鮮の核問題等の国際問題を含む様々な問題について利害を共有する重要な隣国である。我が国は、日露両国には大きな潜在的可能性があるとの考え方に立ち、ロシアとの互恵的な協力関係の発展に努めている。我が国は、今後とも、日露行動計画に従って、平和条約締結交渉はもとよりとして、政治対話、大量破壊兵器等の軍縮・不拡散やテロとの闘いを始めとする国際舞台における協力、エネルギー協力を始めとする貿易経済分野、防衛・治安分野、人的交流等、幅広い分野における日露協力をさらに拡大し、信頼関係に基づくパートナーシップを構築すべく、引き続きロシアとともに努力していく考えである。そのためにも、過去50年間、両国間の最大の懸案となっている領土問題の解決が、極めて重要である。

    (3)領土問題に関しては、日露両国は、1956年の日ソ共同宣言、1993年の東京宣言、2001年のイルクーツク声明及び2003年の日露行動計画を含むこれまでに達成された諸合意及び諸文書に基づき、両国が共に受け入れられる解決策を見出すべく努力を行うことで一致している。我が国としては、このような両国の一致した認識を踏まえ、引き続きロシアとの間で真剣な交渉を行っていく考えである。

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