外務報道官談話
野口元郎氏のクメール・ルージュ裁判最高審国際予備判事就任(外務報道官談話)
令和6年7月1日
- クメール・ルージュ裁判事務局が7月1日に発表した、野口元郎氏のクメール・ルージュ裁判最高審国際予備判事への就任を歓迎します。
- クメール・ルージュ裁判は、カンボジアのクメール・ルージュ政権期における政権幹部のジェノサイド条約上の犯罪や人道に対する罪等重大な罪について国際水準で裁くため、2006年(平成18年)に国連の協力の下、国内法廷として設置されました。我が国は、本裁判をカンボジア和平プロセスの総仕上げとして重視し、国際社会による本裁判への支援において主導的役割を果たしてきました。野口元郎氏は、2006(平成18年)年の裁判立ち上げから2012年(平成24年)までの間、同裁判最高審国際判事を務め、第一事案の最高審判決のほか、司法行政委員会や規則手続委員会の委員として裁判の司法プロセスに貢献しました。
- 本裁判は2022年(令和4年)に全ての裁判プロセスを完了し、2023年(令和5年)に残余機構に移行しました。同機構では、刑執行の監督、広く一般に利用できるようにすることを目的とした裁判文書の再分類、裁判文書及び非裁判文書を含むクメール・ルージュ裁判のアーカイブの保存及び管理、カンボジアをはじめ他国でのアウトリーチ活動等を実施する予定です。野口氏は最高審の国際予備判事としてこれらの活動に携わります。
- 本裁判の成果が、次世代の人々や国際社会のための遺産として引き継がれ、法の支配の強化に資することを期待します。
(参考1)野口元郎クメール・ルージュ裁判最高審予備判事
検事任官(東京等地方検察庁検事)、クメール・ルージュ裁判最高審国際判事、法務省法務総合研究所国際協力部長、国際刑事裁判所(ICC)被害者信託基金理事長、最高検察庁検事、外務省国際司法協力担当大使等を歴任。現在は岩田合同法律事務所弁護士。
(参考2)クメール・ルージュ裁判
国連とカンボジア政府との合意文書に基づき、カンボジア司法官と国際司法官が協力して、1970年代後半にカンボジア刑法、ジェノサイド条約上の犯罪や人道に対する罪等重大な罪を犯したクメール・ルージュ政権の上級指導者及び最も重大な責任を持つ者を裁くために、カンボジア国内に設置された混合法廷。