寄稿・インタビュー

国営ベトナム通信(ベトナム)による安倍総理大臣インタビュー

(2019年2月15日付)

「地域の平和に貢献するためのベトナムと日本のパートナーシップ」

平成31年2月19日

  • 同記事が2月15日付国営ベトナム通信系列「ベトナムプラス」に掲載。

【グエン・ドク・ロイ国営ベトナム通信社長】ご多忙中インタビューをお受けいただき大変光栄。両国が1973年9月21日に外交関係を樹立して以来,過去45年以上に亘り,日本はベトナムのドイモイ政策,統合,発展を積極的に支援してきた。総理はベトナムとの広範な戦略的パートナーシップをどのように評価されているか。

【安倍総理大臣】国会議員になって25年になるが,初当選した頃にベトナムを訪問した。その際に大変温かく迎えていただいたことを今でも覚えている。当時のドイモイ政策により活気あふれるベトナムを目の当たりにした。その後,第二次安倍政権になって2006年に訪問して以来,総理大臣として4回ベトナムを訪問している。
 ベトナムは訪問する度に発展している。2017年11月訪問した際には,フック首相に案内していただいて古都ホイアンを訪問した。町を歩くと日本橋があったり,かつて日本人が営んでいたお店が残っていたりして,日本との長い友好の歴史を改めて実感した。市内をフック首相と共に歩いている時,洪水で大変な被害に遭われたのに,多くの方々が手を振って温かく歓迎して下さったことに感激した。
 日本とベトナムのパートナーシップのポイントは「地域の平和と安定のため」のものであること。既に人的交流は盛んで,経済関係も強まっているが,さらに安全保障を始めとする国際問題に共に取り組む関係を構築したい。

【ロイ社長】安倍総理は日本とベトナムの友好・協力関係には今後,どのような発展の可能性があると期待されるか。

【安倍総理大臣】基本は,日本とベトナムがお互いを助け合い,支え合うこと,やるべきことに共に取り組むことと思っている。日本人のベトナム人に対する印象は,勤勉で,忍耐強く,温かい人々だというものである。そんな中,いま年間120万人を超える往来があり,日本在住のベトナム人は30万人以上いる。技能実習生や留学生を含め,日本に理解のあるベトナムの方々が多くおられることは,日本にとっての財産である。4月から新たな外国人材受け入れ制度がスタートするので,より多くのベトナムの方々に日本で働いていただきたいと期待している。
 来年はオリンピック・パラリンピックが日本で開催されるが,是非ベトナム・チームに活躍して頂きたく,多くのベトナムの方に現地で観戦してほしい。また,サッカーでは日本とベトナムはよきライバルなので切磋琢磨したい。今年のG20サミットにはフック首相を招待している。来年は貴国がASEAN議長国を務められる。お互いリーダーシップを発揮して,地域及び地球規模の課題に共に取り組みたい。

【ロイ社長】環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)が正式に発効した。CPTPPはメンバー11カ国にどのような影響を与えるとお考えか,また,日本とベトナムの経済,貿易,投資協力にはどのような影響があるとお考えか。

【安倍総理大臣】世界で保護主義への懸念が高まる中において,自由貿易を推進する観点から,極めて画期的な世界的な成果である。これは日本とベトナムが協力し合った成果である。関税に目が行きがちだが,TPP11は先進的な大きな意義をもっている。知的財産,環境,電子商取引など,まさに21世紀にルールを確立しなければならない中,網羅的に新たなルールを作る,画期的なものである。21世紀型の自由で公正な新たな経済圏を,成長著しいアジア太平洋地域に創り出すものであり,世界のモデルとなることを期待している。
 TPP11の中でベトナムがTPPにより最も経済が成長すると言われているので,TPP11協定を通じて,日越間の貿易・投資が拡大し,生活が豊かになることを期待している。これにより,間違いなく日越間の貿易は発展していく。ホイアンに行った時にホイアン風のフォーを食べたが,とても美味しかった。TPPによって経済交流が増え,日本でベトナムのフォーを食べられる人も増えるだろう。

【ロイ社長】アジア太平洋は,世界の政治・経済の活力に満ちた中心となっている。日本は,他国と協力しつつ,地域の平和,安定発展に向けた貢献をどのように強化していくお考えか。

【安倍総理大臣】日本もベトナムも「自由で開かれたインド太平洋」あればこそ発展できる。インド洋から太平洋へと至る広大な海と空を,全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の基盤としなければならない。このビジョンを共有する全ての国々と協力しながら,「自由で開かれたインド太平洋」を築き上げる。
 具体的には,法の支配,航行の自由,自由貿易等の普及,定着。そして,連結性の向上を通じた経済的繁栄の追求。3つめは海上法執行能力向上,或いは人道支援・災害救援を通じた,平和と安定の確保を目指していく。日本とベトナムで手を携えて問題を解決し,自由で開かれたインド太平洋の実現に向け,努力を続けていきたい。


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