寄稿・インタビュー

エル・パイス紙(ウルグアイ)による安倍総理大臣書面インタビュー

(2018年12月2日付)

「安倍晋三総理『ウルグアイ企業への関心を高める』」

平成30年12月3日

 ウルグアイを訪問するに際し,日本の安倍晋三総理は,日本とウルグアイは地理的に離れているが,両国はお互いにとって「重要なパートナーである」と語った。今回のウルグアイ訪問は,安倍総理にとり,二国間関係,特に経済分野における関係を深化させる好機である。二国間経済関係の強化に向け,日本企業のウルグアイへの更なる進出のために必要となる法的枠組みの整備や支援の供与が期待されている。

【問】今次訪問は,史上初の日本の総理大臣のウルグアイ訪問であるが,訪問の目的及び日・ウルグアイ二国間関係の中で特に重視する分野,テーマいかん。

【安倍総理大臣】今回の訪問は日本の総理大臣として史上初のウルグアイ訪問となり,大変光栄に思います。今回の訪問を機に,日本とウルグアイの100年にわたる歴史的友好関係に新たなページを開きたいと思います。

 バスケス大統領とは2015年11月に訪日されて以来,2度目となる首脳会談を行う予定です。バスケス大統領は日本での研修を含め多くの訪日歴がある大変な親日家であり,再会を嬉しく思います。

 日本とウルグアイは,地理的に遠く離れていますが,自由,民主主義,人権,法の支配といった普遍的価値を共有する重要なパートナーです。本年は日本人ウルグアイ移住110周年の慶賀の年であり,両国の長年にわたる友好の歴史に根ざした協力関係を一層発展させたいと思います。

 ウルグアイが,自由で開かれた経済政策を背景に,南米随一の経済成長を続けていることに,敬意を表します。日本との間では,2017年の投資協定発効など,貿易・投資拡大に向けた取組が進展しています。今後も経済関係強化に向けた法的枠組み整備や日本企業のウルグアイ進出を支援することにより,両国の経済関係の発展を推進したいと思います。

 この他にも様々な分野で交流が進展しています。特にスポーツ分野では,来年日本で開催されるラグビーワールドカップ2019にウルグアイ代表の出場が決定し,本年10月には両国のスポーツ交流に関する覚書が署名されました。近年,大学間交流や文化交流も活発になっており,このような人的交流が一層拡大することを期待します。

 今後も,政治,経済,文化,国民交流などあらゆる分野で両国の関係を更に発展させるべく,バスケス大統領と共に手を携え尽力していきたいと思います。

【問】ウルグアイに対するイメージいかん。

【安倍総理大臣】ウルグアイは,成熟した民主主義や自由な経済体制が確立した,中南米で最も安定した国家の一つです。政治的・社会的な安定や良好なビジネス環境を背景に,経済成長が着実に続いていることから,ブラジルやアルゼンチンなどの大市場に向けた拠点として,日本企業の関心も高まっています。

 ウルグアイと言えば,何と言ってもサッカーです。ウルグアイは,世界で最初のサッカーワールドカップが開催され,その最初の優勝国となった,世界最強国の一つです。本年10月に日本で行われた日本代表とウルグアイ代表の試合には多くの日本人が熱狂しました。

 日本のビジネス関係者は,WTOを設立することとなったGATTウルグアイ・ラウンド交渉をよく覚えています。これを機に,ウルグアイは日本にとって身近な国となりました。

 ウルグアイの特徴として知られていることの一つに,農牧林業が盛んであるということがあげられます。日本では,ウルグアイの食べ物としてまず思いつくのは,牛肉です。現在,日本政府とウルグアイ政府は両国の牛肉相互輸出に向けた取組を加速化させています。

 ウルグアイの主要輸出産業であるセルロース産業を始めとする林業の発展には,日本のJICA(国際協力機構)の技術協力が深く関わっています。日本が持つ知見とウルグアイの潜在力が繋がった,両国協力のモデルケースであると思います。

 ウルグアイにおける日本のイメージについては,寿司や天ぷら等の日本食が人気であり,アニメや漫画等のポップカルチャーへの関心が広がっていると聞いており,嬉しく思います。

 日本とウルグアイには長い歴史の積み重ねに基づく友好・協力関係があります。今回の訪問が弾みとなり,両国の間の様々な分野における往来が活発になり,両国関係が一層発展していくことを期待しています。


このページのトップへ戻る
寄稿・インタビューへ戻る