寄稿・インタビュー

クラリン紙(アルゼンチン)による安倍総理大臣書面インタビュー

(2018年12月1日付)

「安倍晋三総理『日本は自由貿易の旗手』」

“日本は今後とも自由で公正な貿易体制を強化していく”

平成30年12月3日

 11月29日夜にブエノスアイレスに到着した日本の安倍晋三総理は,G20サミットに参加し,アルゼンチンのマクリ大統領からG20の議長国を引き継ぐ。また,12月1日には,マクリ大統領との間で日アルゼンチン投資協定に署名する。日本はIMFにおいて2番目の有力国であり,2015年12月(注:マクリ政権発足)以降,アルゼンチンとの二国間関係を改善し,同国を支援してきた。ベテラン政治家である安倍総理は,政権を三期連続で担う。安倍総理は,2012年12月に総理大臣に就任する前,2006年から2007年にかけても政権を率いた。トランプ大統領を始めとする各国の指導者が保護主義を主張し,自由貿易の存続に疑問符がつく中,自由貿易の保護者である安倍総理はクラリン紙による書面インタビューに応じた。

【問】アルゼンチンと日本は近年大いに関係を発展させ,日本はアルゼンチンを力強く支援している。両国間の貿易や投資を更に促進するためには何が必要だと考えるか。

【安倍総理大臣】本年,外交関係樹立120周年を迎える日本とアルゼンチンの関係は,2年前,私とマクリ大統領で両国の関係を戦略的なパートナーへと位置付けて以降,ますます強固になっています。最近4年間の両国首脳の相互訪問はかつてなかったことであり,両国の絆の強さの表れです。

 今年6月には,懸案であったアルゼンチン牛肉の日本への輸入が解禁となりました。早速自分もアルゼンチンの牛肉を堪能しました。民間においても,名古屋,大阪などの日本の大都市で,アルゼンチン牛肉とワインのプロモーションイベントが開催されたと承知しています。

 日本とアルゼンチンは,自由で開放的,そして秩序ある国際経済システムの構築に共に取組むパートナーです。その観点から,日本は,マクリ大統領が困難に直面しながらも継続する改革努力とアルゼンチンのOECD加盟審査の開始を強く支持しております。

 マクリ大統領が就任されて以降,この3年でアルゼンチンにおける日系企業数は倍増し100社以上になりました。自動車等の製造業,アグリビジネス,エネルギー等様々な分野で日系企業が新規投資案件を決定または実施しています。

 今次アルゼンチン訪問において署名する投資協定等の枠組みを基盤として,今後,ビジネス環境の改善が一層進み,両国間の貿易・投資関係が更に強化されていくことを期待します。その関連で,日・アルゼンチン租税条約が実質合意に至ったことを歓迎します。

【問】今次G20においては各国間で様々な立場の違いがあるが,貿易問題に関する日本の立場いかん。

【安倍総理大臣】戦後,日本は,自由貿易体制を通じ現在の繁栄を享受してきました。

 現在,世界において保護主義への懸念が高まる中,日本としては,今後とも,自由で公正なルールに基づく貿易体制を強化していきます。

 先般,TPP11の年内発効が確定し,日EU・EPAについても年内の国内手続完了を目指しています。これは,日本が自由貿易の旗手として,自由で公正な経済圏を世界に広げていくとの揺るぎない意志を全世界に示すものです。また,WTO改革を通じた多角的自由貿易体制の維持・強化にも積極的に貢献しています。

【問】G20次期議長国として日本はどのようなビジョンを持っているのか。

【安倍総理大臣】大阪でのG20においては,自由貿易の推進やイノベーションを通じて世界経済の成長を牽引すると共に,経済成長と格差への対処の同時達成,更にはSDGsを中心とした開発・地球規模課題への貢献を通じて,自由で開かれた,包摂的かつ持続可能な「人間中心の未来社会」実現を目標に掲げ,推進していきたいと考えています。

 まずは,アルゼンチンでのG20サミットの成功に貢献し,その成果を大阪のG20サミットにつなげたいと思います。


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