寄稿・インタビュー

ビエンチャン・タイムズ紙(ラオス)による河野外務大臣インタビュー

(2018年4月7日付)

「日本とラオス,「戦略的パートナーシップ」の強化」

平成30年4月11日

【問】今次ラオス訪問の目的いかん。

【河野外務大臣】先月,サルムサイ・コンマシット外相が経済協力開発機構(OECD)東南アジア地域プログラム(SEARP)閣僚会合に出席するため日本を訪問しました。この時の会談において,私たちは,ラオスの更なる社会経済開発に向けた日本の支援策や,地域・国際情勢等について率直な意見交換を行いました。
 私の今次訪問の主な目的は,この3月の会談に引き続き,「戦略的パートナー」として,両国の関係を更に強化することです。また,トンルン首相から御要望のあったラオスの財政安定化や連結性強化のための取組について,トンルン首相に進捗状況を直接お伝えする予定です。
 さらに,今回初めてラオスを訪れますので,ビエンチャン市内を視察し,少しでもラオスをよく知ることを楽しみにしています。そして両国の重層的な協力の成功例を内外に発信することを通じて,ラオスの安定と繁栄に向けた日本の協力のあり方を考えていきたいと思います。

【問】「日本・ラオス開発協力共同計画」とは何か。また,同計画の成果いかん。

【河野外務大臣】同計画は,安倍総理が2016年9月にラオスを公式訪問した際に,トンルン首相との間で合意・発表しました。ラオスの目指す将来像とその実現に向けて,両国間の協力の方向性を示すもので,ラオスにとって最も重要な課題を次のとおり「協力の3本柱」とし,対応していくこととしています。

  • 1.周辺国とのハード・ソフト面での連結性強化
  • 2.産業の多角化と競争力強化,そのための産業人材育成
  • 3.環境・文化保全に配慮した均衡のとれた都市・地方開発による格差是正

 成果の一例を挙げると,本年1月から,ワッタイ国際空港と市内を結ぶバスサービスが開始されました。これは,JICAとビエンチャン・バス公社の協力で実現したもので,「環境保全に配慮した都市開発」を具体化するものです。
 「協力の3本柱」の着実な実施を確保するためには,マクロ経済や財政の安定化が不可欠です。日本は,この1年間,関係機関と協力して,VAT(付加価値税)や簿記などに関するセミナーを開催し,ラオスの行政官の能力向上に協力してきました。またアットサパントーン財務副大臣をお招きして,日本の税関や税務大学校を視察いただきました。

【問】日本が進める「連結性強化」について,具体的にどのような計画が行われているのか。

【河野外務大臣】経済を発展させるためには,道路や橋,鉄道などで物理的に都市と都市をつなぎ,モノやヒトの流通を活発化させることが必要です。日本は,ただ物理的にインフラを整えるのみならず,国境の通関手続を改善し,物資の輸送の円滑化を進め,更に同経済回廊の周辺地域を開発することで,「生きた連結性」を実現することができると考えています。
 これまでの成果として,ワッタイ国際空港ターミナル拡張計画が挙げられます。この10年で約2倍ともいえる同空港の増大する旅客・貨物の需要に対応し,空港の利便性や周辺国との連結性を向上させるべく,国際線ターミナルの拡張や国内線ターミナルの新設に取り組んでいます。同計画は順調に進み,夏頃までには完工する予定です。同計画により,周辺国との連結性は更に向上すると思います。
 またベトナムとタイを結ぶ東西経済回廊の一部である国道9号線では,劣化が進行している橋梁2か所の改修を現在行っています。これにより,9号線の安全かつ安定的な交通が実現し,周辺地域及び東西経済回廊の経済,社会インフラ整備に寄与することが期待され,ラオスにも大きな経済効果をもたらします。
 さらに,こうしたハードインフラが有効に活用されるよう,例えば,国際標準に沿った効率的な税関業務に向け,日本人専門家を派遣し,制度・体制・手続き改善のための助言を行っています。これらの取組がラオスの持続的発展につながることを期待します。

【問】2020年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催される。これに向け,日ラオス間でどのような協力が行われているのか。

【河野外務大臣】東京オリンピックは2020年7月24日~8月9日まで,同パラリンピックは,8月25日から9月6日まで開催される予定です。1964年以来,二度目の東京での夏季大会となりますが,前回大会とは異なる日本の姿をお見せできることでしょう。
 日本政府は,これまでJICA青年海外協力隊やシニアボランティアを通じて,サッカーやバレーボール,柔道,陸上等でスポーツ分野における国際貢献「Sport for Tomorrow」プログラムを実施してきました。
 ラオスでは,同プログラムの一環として,パラスポーツでの協力も進んでいます。日本ブラインドサッカー協会とラオス・ブラインドサッカー代表は緊密に連携しており,本年2月には,ラオス代表の皆様にはるばる日本に遠征していただきました。その他,ラオスにおける障害者スポーツの普及に日本のNGOが継続して取り組んでいます。
 こうした協力を通じて,2020年,ラオスの選手をオリンピック・パラリンピック両方で日本でお迎えできることを楽しみにしています。


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