世界が報じた日本

平成30年2月19日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文をご参照願います。

掲載日:

1月29日:

媒体名(国名):

環球時報(中国)

執筆者(発信地):

郭偉民記者,王逸記者

 河野外務大臣は28日,初めて中国を訪問し,李克強総理及び楊潔チ国務委員が河野大臣と会見した。王毅外交部長は河野大臣と会談を行い,双方は,早期に次回の日中韓サミットを開催し,そのために適切な環境をつくることに同意した。
 これは河野大臣が外務大臣に就任以来,初めての中国訪問で,日本の外務大臣の訪中は2016年4月以来となる。日本のメディアは25日には報道を開始し,28日には大手メディアが集中的に報道したほか,テレビ局の特派員記者が北京の街頭から中継を行った。
 シンガポール・聯合早報によれば,河野太郎大臣の父親は親中派として有名な政治家であるとし,取材に応じた学者は,現在の日中関係は,行き詰まりを抜け出す条件は確かに備わっているが,その鍵は,日本側が中国に対する根本的な認識を変えること,中国を戦略的な競争相手ではなく,協力パートナーとして真剣に見なすことにあり,こうして初めて両国関係は実質的に改善できる,と述べた。

掲載日:

1月27日:

媒体名(国名):

フェニックスTV(香港)

執筆者(発信地):

李淼東京支局長

(河野大臣)日中両国の関係改善というのは,二つの国だけでなく,世界全体に良い影響を及ぼすものだと思う。昨年11月に日中の首脳会談が行われ,全面的な関係改善に向けて努力をしようということで,全面的な関係改善の機運が更に大きくなった。今年は平和友好条約40周年ということもあるところ,その年のスタートに私が中国を訪問し,全面的な関係改善に向けた一歩にしたいと思っている。
(李支局長)今回の中国訪問の理由と目的,狙いを聞かせていただきたい。
(河野大臣)日本と中国の関係というのは,二つの国がお互いに向き合って日中関係をどうしようかだけでなく,やはり日本と中国が肩を並べて地球規模の課題に取り組んでいくということが非常に重要だと思っている。今回中国を訪問して,日本と中国が全面的に関係を改善して,地球規模の課題に一緒に取り組んでいく,そのきっかけを作っていきたい,同時に,二国間の中に様々な懸念もあるが,そうした懸念を適切にマネージしながら,日中関係を前向きに進めていく,そういうスタートを切りたいと思っている。

掲載日:

1月26日:

媒体名(国名):

新華社(中国)

 河野大臣は次のように述べた。
 日中平和友好条約締結40周年の始まりのタイミングで中国を訪問することが,良いスタートとなるよう望んでいる。私は,引き続き,「戦略的互恵関係」の考えの上に立ち,懸念を適切に処理しながら,あらゆる分野で協力と交流を推し進め,相互信頼を一層深め,大局的な観点から日中の友好協力関係を安定的に発展させていきたい。
 今年は日中平和友好条約締結40周年であると同時に,中国の改革開放40周年でもある。これは中国の発展と同時に,日中間の幅広い協力が進展した40年間でもある。日中間の貿易額を見ても40年前には約50億ドルであったが,現在は当時の約60倍になり,貿易を通じた両国の相互依存関係は絶えず深まっている。中国と日本はそれぞれ世界第2位,第3位の経済大国であり,国際社会の平和・安定・繁栄に共に大きな責任を有している。日中関係を安定的に発展させることは,両国のみならず国際社会全体にとり有益である。

掲載日:

2月2日:

媒体名(国名):

イッティハード紙(ア首連)
タイトル:
歴史上最も有名な虐殺における困難な時間を被爆者・小倉桂子氏は語る。憎む時間もなかった。我々は生きるために身を捧げた

執筆者(発信地):

アフマド記者

 原爆投下後の恐怖は,広島の全市民に数年にわたる精神的・人間的な苦しみをもたらした。我々は,現代において,この最も恐ろしい人類の悲劇を忘れることは出来なかったが,憎む時間を見つけることも出来なかった。我々は街の再建,食料や衣類の確保,生きるために身を捧げた。
 広島の原爆投下後,我々は寛容あるいは不寛容について考えられなかった。食べること,そして生活に戻ることだけ考えていた。一般的に,日本人は憎まず,また怒りを公然と表現することは容易ではない。これを克服する方法は,次世代に,このような悲劇を再び引き起こさないために何かをする以外なかった。
 今我々を不安にさせているのは,北朝鮮の脅威,核実験,そして核兵器の危険を理解していない無謀な支配者である。さらに,核戦争への道を開くことに拙速なトランプ米大統領がいる。世界はこの危険に直面すべく団結しなければならない。

掲載日:

1月28日:

媒体名(国名):

オ・エスタード・デ・サンパウロ紙(ブラジル)

執筆者(発信地):

リカルド・グリンバウム同紙エグゼクティブ・エディター

 東京のとあるホテルでは人型ロボットが受付に立つ。少子高齢化に対応するため,日本が,社会を舞台に行う壮大な実験の一例だ。日本が掲げるSOCIETY 5.0構想は,人が行う仕事の多くをコンピューターやロボットで賄おうとするものだ。
 現在,日本の総人口の4分の1を65歳以上が占める。人手不足により工場は閉鎖され,コンビニエンストアは深夜営業を取りやめている。2050年までに日本の総人口は2000万人減少すると予想されている。安倍政権は,総理を委員長とする高齢化対策委員会を立ち上げた。昨年,人口が増加したのは東京都だけであり,人口減少対策を担当する頼あゆみ内閣府事務局次長は,都内の学校数を制限し,地方への移住を促す情報提供や資金援助を行っていると説明する。
 安倍政権は,生産性持続の一つの対策として,人工知能・IoT・ロボット開発に補助金を出し,さらにこれら技術の実証に必要な規制緩和を決めた。

掲載日:

1月26日:

媒体名(国名):

ル・フィガロ紙(仏)

執筆者(発信地):

アラン・バルリュ記者

Q:第4回日仏2プラス2が金曜日に東京で開催される。大臣が日仏関係で期待することは。
A:私は2014年1月に日仏2プラス2がパリで初めて開催された時にも防衛大臣を務めていた。当時のカウンターパートはジャン・イヴ・ルドリアンで,今回の2プラス2では仏外務大臣として参加している。日本とフランスは,自由,民主主義といった共通の価値を有する「特別なパートナー」である。フランスは欧州に位置する国だが,ニューカレドニアやフランス領ポリネシアも有しており,太平洋国家とも言える。フランスはインド洋及び太平洋に広大な排他的経済水域を有しており,日仏は共通の利益を有している。日仏両国が,日本政府が「自由で開かれたインド太平洋戦略」と名付けたこの戦略を協力して推進することが大変重要。国際法に基づく海洋秩序を守るために協力していきたいと考えている。
Q:地域情勢における緊張が高まる中で,考えられる自衛隊の役割いかん。
A:日本は平和主義国家であり,我々の政策は専ら領土の防衛(専守防衛)にある。こういった条件において,日米同盟は必要不可欠であり,それ故に米軍は日米安全保障条約に基づき日本に駐留している。この日米の存在は東アジアの平和の維持に不可欠なものだ。
Q:この日米同盟はこれまでに無く必要不可欠なものとなっているか。
A:日米の安全保障協力体制はこれまでになく強固なものとなっている。日米同盟は日本国民から広く支持されている。日本の安倍総理とアメリカのトランプ大統領は親密な関係を維持しており,私も米側のカウンターパートであるマティス国防長官と定期的に連絡を取り合っている。

掲載日:

1月26日:

媒体名(国名):

ル・フィガロ紙(仏)

執筆者(発信地):

アラン・バルリュ記者

 マクロン政権下での日仏関係は好ましいと予想される。マクロン大統領は日本を訪問するはずだ。日本の人々は若いフランスの大統領に関心を寄せており,今年の訪日を強く望んでいる。
 大統領の訪日については2プラス2の際に取り上げられることになろう。2プラス2は2014年以降毎年,パリと東京で交互に開催されている。26,27の両日ルドリアン外相と,パルリ国防相は河野太郎外相,および小野寺防衛相と会談するほか,安倍総理を表敬訪問する。
 核・ミサイル開発プログラムを進める北朝鮮の脅威への対応が日本の最大の関心事であるが,日仏両国は北朝鮮への対応について意見が一致している。日本政府は金正恩政権へ最大限の圧力をかけるよう訴えている。一方,ルドリアン外相は22日付けのル・フィガロ紙とのインタビューで,対北朝鮮制裁について断固とした姿勢をとることを明らかにしており,日本側はこの姿勢を評価している。日仏両国は朝鮮半島の非核化で意見が一致している。日本政府はとりわけ,国連安保理の制裁に加えてEU独自の制裁をフランスが支持していることを歓迎している。

掲載日:

1月25日:

媒体名(国名):

星洲日報(マレーシア)

執筆者(発信地):

チョン・キング・ロック記者

 日本は一昔前,アジアのリーダー的存在だった。経済の伸び悩みの影響で数年前に,世界第2位の「経済大国」という地位を中国に受け渡している。しかし,日本は未だに世界の強国であることに変わりない。日本の真面目さや,何事もより一層改善を追求する姿から学ぶべきことは多い。
 80年代,マハティール元首相が提唱した東方政策と,数年前にナジブ首相が呼びかけた東方政策第2.0も,未だに効果が薄い。「東から学ぶ」との意味は表面的なことを学ぶのではなく核心にある精神を学ぶことだろう。
 先進国は常に一歩前を見据え,効率性を追求する。一方で,後を追う国々は常に目の前のことだけを成し遂げ,満足する。一例は,両国の高齢者施設でも見て取れる。マレーシアではまだ人手に頼り高齢者をケアしているが,日本の一部の高齢者施設ではハイテク機械を導入し,高齢者のケアの効率性とサービスの質の向上を達成し,一歩先を進んでいる。

掲載日:

1月24日:

媒体名(国名):

エ・シャアブ(アルジェリア)
タイトル:
山内昌之東京大学教授インタビュー:エルサレムのシオニスト体制の首都としての承認は無罪ではない。パレスチナの人々は,世論の関心を反らすことを目的とする決断の被害者となった。

執筆者(発信地):

アミーン・ベルアムリー記者

 エルサレムのイスラエル首都としての承認及び米国大使館の移転命令という)米国の決断には,米国の伝統的な同盟国も含め,国際社会が全会一致で拒絶を示している。日本もまた,以前,本紙インタビューにおいて岡浩外務省中東局長が回答したとおり,米国政府の大使館移転の決断には追随しない姿勢を明らかにしている。
 昨年12月,日本外務省の招待のもと,クウェート,オマーン,チュニジア,UAEのジャーナリストと共に日本を訪れた本紙記者は,東京大学教授の山内昌之氏へのインタビューを実施した。その中で,エルサレムの首都認定及び米国大使館移転に関するトランプ大統領の決断の根源や背景について話を伺った。同教授は,これらはアラブ・イスラエル問題において極めて重要な出来事であり,トランプ大統領が早急にこの決断を下したことも考慮すれば,決断の裏に隠れた意図があると考えられると述べた。

掲載日:

1月21日:

媒体名(国名):

オ・エスタード・デ・サンパウロ紙(ブラジル)

執筆者(発信地):

リカルド・グリンバウム同紙エグゼクティブ・エディター

 内堀福島県知事は,ジャパン・ハウス・サンパウロでの特別セミナーにおいて「多くの措置が採られてきたが,福島県民はいまだに原発事故の影響を身に染みて感じている。福島県民は光と闇の間を生きている」と述べた。
 日本は,福島がチェルノブイリの二の舞にならないよう多大な努力を払っている。チェルノブイリではコンクリートの石棺で原子炉を覆ったが,日本政府は廃炉を行い,汚染対策を徹底し,住民を呼び戻すことを決定した。農地の汚染された表土は全て取り除かれ,黒い袋に詰められた。梨や桃の木は一本一本根元を洗浄し,同様に41万8千の住宅と1万1500の公共施設も放射性物質を除去するために洗浄された。政府関係者によると,汚染地域は県の30%から3%まで減少した。
 福島を訪れる観光客は事故前の90%にまで回復した。観光と農業は福島経済の要である。県では,2040年までには,風力および地熱といった再生可能エネルギーを用いて必要なエネルギー量を賄う目標を掲げている。また高度技術産業やロボットテストフィールドの誘致,また農産物も国際的な品質証明書をもって輸出を促進する計画である。内堀知事は「チャレンジ」がキーワードだとした。

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