寄稿・インタビュー

ミハール紙(モルディブ)による河野外務大臣インタビュー

(2018年1月6日付)

「日モルディブ関係の将来の見通し:外交、環境保護及び持続可能な成長」

平成30年1月9日

 河野太郎日本国外務大臣が公式訪問のために土曜日にモルディブに到着した。一日間の滞在期間中,大臣はヤーミン大統領に表敬するとともに,アーシム外務大臣と会談する。ミハール紙の単独インタビューにおいて,河野大臣は過去50年間の日モルディブ間の外交関係の継続及び予見可能な未来におけるモルディブ群島への日本の支援の見通しに焦点をあてた。

【問】外交関係樹立以来50年間の日モルディブ関係の進展に対する見方いかん。日本にとってのモルディブの意義は何か。日本政府がモルディブの人々に伝えたいメッセージは何か。

【河野外務大臣】モルディブは,アジア太平洋と中東・アフリカを結ぶインド洋シーレーンの要衝に位置する重要な国です。また,外交関係樹立後,半世紀にわたり,日本とモルディブは常に友好・協力の絆を深めてきました。日本人の多くは,モルディブの美しい海と豊かな自然に憧れを抱いています。実際,年間に4万人もの日本人観光客がモルディブを訪れています。また,津波を始めとする自然災害の脅威に直面する日本とモルディブは,災害対策等において手を携えて協力を強化してきました。このようなモルディブとの関係を更に強化するため,今般,2018年の最初の外国訪問先の一つとしてモルディブを選びました。
 過去50年にわたる友好関係も基礎に,日本は,「自由で開かれたインド太平洋戦略」の下,インド太平洋地域の法の支配に基づいて自由で開かれた海洋秩序をいずれの国にも安定と平等をもたらす国際公共財とするため,今後,海洋国家たるモルディブとの関係を一層強化していきたいと考えています。
 具体的には,質の高いインフラ整備を通じた連結性の強化や海洋の安全に係る協力等を進めていきたいと考えています。
 このような協力を通じ,日本とモルディブは,共に発展し,共に地域の平和と安定に貢献するパートナーであるということを,モルディブの皆様へのメッセージとして強調したいと思います。

【問】日本政府は,マレ周辺の護岸堤のようにモルディブの環境の脆弱性を改善するための重要なプロジェクトの支援を行ってきた。日本は,モルディブの環境保護のための更なる支援を計画しているか。

【河野外務大臣】海洋国家である日本とモルディブは,津波を始めとする自然災害等の脅威と,その対策の必要性について,認識を共有しています。 このような共通認識の下,日本は,「環境・気候変動対策・防災」を重点分野の一つとして,これまで長年に亘り,マレ周辺の防波堤建設など,モルディブに対し多面的な支援を実施してきました。
 例えば,モルディブ電力の大部分がディーゼル発電で賄われている現状を踏まえ,日本は2010年から首都マレ島への太陽光発電システム導入を支援しています。これを通じて温室効果ガスの排出量削減が期待されます。
 また,モルディブ国内で,日本方式による地上デジタルテレビ放送網の整備を支援しています。同放送網を活用して,緊急時には災害情報等を配信することは,防災対策の強化にもつながるものと考えています。
 日本は,今後もモルディブの環境分野における脆弱性を改善するため,モルディブ政府との意見交換を通じて更なる協力の可能性を模索していく考えです。

【問】日本の支援は,教育,経済,社会,環境など,モルディブの様々な分野において最も重要な支援の一つである。今後,日本の対モルディブ支援の中で鍵となる分野は何か。

【河野外務大臣】「環境・気候変動対策・防災」に加えて,日本は,「地場産業の育成」を重点分野として,モルディブへの支援を行っています。
 この支援は,強靱な経済構造の実現を目指すもので,特に,モルディブ最大の産業である観光業や開発ポテンシャルの高い水産業の育成を図っているところです。
 具体的には,観光業に関しては,日本のもつ豊富な知見と経験を基に,国際協力機構(JICA)が実施する観光振興等に係る研修を通じて,モルディブの観光分野での能力向上を図っている ところで,モルディブ政府は更なる観光客誘致の取組を進めていると伺っているところ,その取組を一層後押ししていきたいと思います。
 水産業に関しては,モルディブの豊富な水産資源に着目して,水産分野を包括するマスタープランの策定を支援してきました。同プランには,カツオの一本釣り漁業など,両国共通の文化を踏まえた協力の成果が含まれています。
 これらの取組を通じて,日本は,モルディブの持続可能な経済成長を引き続き支援していきたいと考えています。


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