寄稿・インタビュー

(平成28年11月21日付)

「安倍総理『日本はマクリ大統領の進める(自由)開放経済政策を支持する』」

平成28年11月24日

(問)日本がアルゼンチンについて最も重要と考えるテーマ,また,中南米地域に関連しマクリ政権に期待するものは何でしょうか。

(安倍総理大臣)マクリ大統領の御招待を受け,祖父,岸信介が訪問して以来57年ぶりに,日本の総理大臣としてアルゼンチンを訪問できることを嬉しく思います。日本とアルゼンチンは,長きに亘り友好協力関係を築いており,2018年には外交関係樹立120周年を迎えます。アルゼンチンは高い潜在力のある南米の大国であり,日本として大変重視しています。日系人の地道な努力や進出日本企業などにより築かれた歴史ある両国関係は,大変強固なものがあります。アルゼンチンは,日本の人気テレビアニメの『母をたずねて三千里』の舞台として日本でも広く知られています。ブエノスアイレス発祥のタンゴは,世界選手権のアジア大会が2004年から毎年,東京で開催され,人気を集めています。両国の経済関係の強化のため,様々な分野で官民一体となってアルゼンチンの投資・貿易の発展やビジネス環境改善の取組を進めることが必要です。日本は,マクリ大統領の進める自由開放的な経済政策路線を支持します。明年にメルコスール議長国を務めるアルゼンチンとは,日本とメルコスールの経済関係の進展に向けても協力していきます。今後,2017年にWTO閣僚会議,2018年にG20サミットを主催するなど,国際社会で一層役割が大きくなるアルゼンチンを導くマクリ大統領の指導力に深い敬意を表します。こうした地域・国際社会の問題についての協力も促進していきたいと考えています。今回の半世紀以上ぶりの訪問を契機に,政治,経済,国民交流面などで大きく促進していきたいと考えます。今回の訪問が,両国国民の更なる交流を生み出し,友好の絆を一層深める機会となることを心から期待しています。

(問)マクリ新政権は日本との関係を改善し,日本の投資家により大きな期待をもたらしたと思いますか,例えば,日本からアルゼンチンへの投資を抑制するような問題は未だにあるとお考えでしょうか。

(安倍総理大臣)自由開放経済政策を進めるなど,強いリーダーシップを発揮して経済課題に取り組むマクリ大統領の姿勢を支持します。アルゼンチンには大きな将来性があると考えています。特に,インフラ,農業,エネルギー,鉱業などの分野で亜への関心が高まっています。今回のジェトロ・インフラ企業ミッションのアルゼンチン訪問,9月のブエノスアイレスでの世界経済フォーラムへの多数の日本企業の参加は,その証左です。本年に入り,トヨタはアルゼンチンでの生産を拡大し,日産は生産開始に向けた新たな投資を発表するなど,新しい企業進出が現実のものとなりつつあります。アルゼンチンへの日本企業の期待を,投資と貿易の拡大につなげるためには,アルゼンチンが開放的で自由な経済政策を堅持し,国際的な信任を引き続き高めていくことが重要です。日本としても,アルゼンチンと共に,ビジネス環境の改善や長期的な安定性のために取り組む考えです。


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