寄稿・インタビュー

ル・フィガロ紙(フランス)への岸田外務大臣寄稿

(平成28年3月19日付)

「4月に開催されるG7会合:力強い象徴」

平成28年3月24日

 4月10-11日のG7広島外相会合及び5月の伊勢志摩サミットの成功に向け,日仏間の協力を確認するため,私は3月20日にジャン=マルク・エロー・フランス外務・国際開発大臣とパリで会談する予定である。私の地元広島で開催するG7外相会合では,価値を共有するG7の間で,国際社会の喫緊の課題について,率直な議論を行いたい。

 テロ・暴力的過激主義への対策は重要となっている。中東のテロ・暴力的過激主義が激化し,欧州やアジア諸国にも地域的広がりを見せている。フランスはパリ同時多発テロ攻撃をはじめ,2度甚大な被害を受けている。無辜の市民の命を奪う卑劣なテロは,平和と繁栄という人類共通の価値への挑戦であり,日本は断固非難する。

 軍縮・不拡散については,昨年のNPT運用検討会議以降,核兵器国と非核兵器国との対話を深める必要が一層高まっていると感じている。また,先般の北朝鮮の核実験及び核弾頭の長距離運搬を可能にする弾道ミサイルの発射は,地域のみならず,国際社会全体の深刻な脅威である。核兵器国と非核兵器国の双方が含まれるG7として,広島の地から,核兵器のない世界の実現へ向けて前進を図るような力強いメッセージを発出したいと考えている。

 被爆地広島出身の政治家として,世界で唯一の戦争被爆国である日本の外務大臣として,G7外相会合においては,核軍縮・不拡散双方について胸襟を開いた議論を行いたいと考えている。

 海洋安全保障は,法の支配に基づく秩序をどのように維持していくかという問題である。南シナ海等で見られるアジアでの現状変更の試みは,法の支配に基づく国際秩序への挑戦であり,また世界の貨物の移動等にも影響する。アジアの問題であるだけでなく,欧州自身の問題でもある。G7諸国は,公海における航行・上空飛行の自由の確保や一方的な行動の自制,また海賊対策を含む海上交通の安定確保に向けた取組の重要性といった点で認識が一致している。

 広島には,海と山に囲まれた美しい自然,豊かな文化と長い歴史がある。また,広島は,原爆投下から蘇った「平和」と「希望」の象徴である。その広島にG7各国の外相が集まる機会を捉まえ,G7外相で率直な議論を交わし,平和,繁栄,未来への希望といったメッセージを出したい。


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