寄稿・インタビュー

シャルク紙(カタール)による岸田外務大臣書面インタビュー

(2015年10月13日付)

平成27年10月20日

日本の外務大臣,本日ドーハ訪問開始
日本の国民は,2011年の東日本大震災後のカタールからの支援を忘れない
日本のカタールとの緊密な関係は「包括的パートナーシップ」と表され,我々はエネルギー,政治,安全保障での両国の関係を強化する決意である

 岸田外務大臣は,カタールは中東地域の平和と安定のために積極的な外交を展開しており,日本はカタールを同地域の安定勢力と見なしていると述べ,中東地域の安定及び同地域で起きている混乱による人道状況のさらなる悪化終焉のために日本がカタールと協力する決意を語った。同大臣は,中東歴訪の一環として本日から2日間ドーハを訪問し,アティーヤ外相と会談を行い,二国間関係,地域情勢の展開及び二国間協力,特にエネルギー・LNG分野での協力について意見交換を行う予定である,と本紙への書面回答で語った。カタールは日本にとって世界第二位のLNG供給国となっている。

 今回のカタール訪問の意義と期待される成果について,岸田外務大臣は,カタールは日本のエネルギー安全保障にとって大変重要なパートナーであり,日本の原油輸入国として第3位,天然ガスは第2位にあたることを言及した上で,「しかし,両国関係はそれだけにはとどまらない。自分の今回のカタール訪問の機会を活かし,幅広い分野における協力を更に推進させ,カタールとの間で重層的な関係を構築していく決意である。」と述べた。

 日・カタール外交関係に関する見方について,岸田外務大臣は,「1972年に両国が外交関係を樹立して以降,同関係はめざましい発展を遂げている。カタールは現在日本の主要なエネルギー供給国であり,最近はハマド国際空港,ドーハ・メトロ,通信衛星「Es'hail2」,乳がん検診システム,発電・造水設備(IWPP)等の事業で日本企業がカタールの国造りに貢献している」と述べた。

 岸田外務大臣は,カタールからは(道義的な)責任として,2011年の東日本大震災に際する支援として,400万tのLNG追加供給,1億ドルの震災支援金の供与を頂き,被災地の復興を支援して頂いていると謝意を表した。また,同外務大臣は,アティーヤ外相が日本を度々訪問し,福島を含む被災地にも足をお運び頂き支援を表明頂いており,日本の国民はそのことを忘れていない,と指摘した。

 さらに岸田外務大臣は,両国の関係について,2013年に両国関係を「包括的パートナーシップ」関係とすることで一致したことに言及し,「その後もアティーヤ外相との会談等の機会を通じて関係を強化してきた。強い友情で結びついた両国は,今後も経済関係にとどまらず,政治・安全保障等様々な分野で発展していくものと確信している」と語った。

安定勢力
 岸田外務大臣は,カタールが,中東地域の安定勢力として同地域の平和と安定のために積極的な外交を展開しており,本年のGCC議長国でもあると付言した。日本は,「中庸が最善」の精神の下,国づくりや人づくりといった日本の強みを活かした中東支援を行っている。先般,日本では,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の実践でもある「平和安全法制」が成立し,日本は,中東を含む国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していくという。
 また,岸田外務大臣は,中東地域が直面している変化に関して,「いわゆる『アラブの春』によって,中東地域における伝統的社会が弱体化し,それに乗じて過激主義が各地で蔓延する事態が発生していることから,カタールの指導者とこうした課題に直面する中東地域情勢について継続的かつ率直に意見交換していくことは有益である」と語った。
 岸田外務大臣は,シリア情勢の展開及びシリア難民増加に関する日本の見解について,日本が先月の国連総会の場で,シリア・イラクの難民・国内避難民に向けた支援を拡大し,本年は昨年の3倍となる約8.1億ドルの支援,及び中東・アフリカでの平和構築支援のために約7.5億ドルの支援を行うことを発表したと指摘した上で,「カタールもこのような支援に積極的に取り組んでいると承知している。中東地域の安定のためにも,両国が協力して人道状況の更なる悪化を食い止めることが重要と考える」と述べた。
 さらに,岸田外務大臣は,本紙に寄せた回答の終わりに,初めてのカタール訪問を喜ばしく思うとし,「日本とカタールは綿密なつながりを持っており,この訪問が,経済のみならず政治・安全保障,経済,文化・スポーツ,科学技術,観光等の多岐にわたる分野での更なる関係深化のきっかけとなることを心から願っており,自分としても尽力していく所存だ」と述べた。


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