寄稿・インタビュー

(2014年11月14日)

平成26年11月21日

1面

 この一年で,私はアボット首相とともに,日本と豪州との関係を新たな「特別な関係」へと歴史的脱皮を遂げさせました。私は,日豪両国にとって最も重要な同盟国である米国を含めた3カ国の協力を拡大させていく決意です。

7面

「より強い日本はより良い友国に」

パートナーシップ:安倍晋三総理大臣,日本と豪州と「特別な関係」を築き,将来の成長に大きな期待を寄せる

 本年4月にアボット首相が日本を訪問し,7月には私が豪州を訪問しました。これまでも長きに渡って良好な関係を築いてきた日豪関係は,現在,両国の長い歴史の中で最も良好な関係にあります。
 この一年で,私はアボット首相とともに,日本と豪州との関係を新たな「特別な関係」へと歴史的脱皮を遂げさせました。
 では,なぜ日豪が「特別な関係」を持ち得るのか。歴史的に,日豪間には,100年前,日本の戦艦「伊吹」がアンザック船団を護衛したように,長きにわたる友好協力関係が礎として存在しています。
 ただし,両国は単に友好協力の歴史を積み重ねてきただけでなく,困難や試練の波をも乗り越えながら,自由,民主主義,人権,法の支配といった基本的価値観を共有する,今日の揺るぎない友好関係を築き上げたのです。
 7月に私とアボット首相が署名した日豪EPAは,先週,日本の国会の承認を得ました。
 今後,EPA発効により,豪州のみなさんにも,日常生活の中で,日本の製品やサービスを通じて日豪間の「特別な関係」の恩恵を肌身で感じていただけることになるでしょう。
 また,私とアボット首相との間で署名した防衛装備品・技術移転協定はじめ,様々な安全保障・防衛協力についても,着実な進捗を見ることができるでしょう。平和を愛する両国はともに力を合わせ国際の平和と安定を支えていきます。
 今後5年に限らず,それ以降も,私は,友情と信頼で強く結びついた最良の友であるオーストラリアとの特別な関係をあらゆる分野で進化させていきます。
 そして,私は,日豪両国にとって最も重要な同盟国である米国を含めた3カ国の協力を拡大させて,平和,安全かつ繁栄した未来をアジア太平洋地域に創り上げていくとともに,グローバルな課題にも協力して解決に向け取り組んでいく決意です。

日本の経済的再生

 政権交代前,日本は15年以上続くデフレ下で,国民所得と競争力が失われ,日本人は自信を失っていました。
 私の使命は,(1)大胆な金融政策,(2)機動的な財政政策,(3)民間投資を喚起する成長戦略,からなる「三本の矢」によって,経済全体のパイを拡大させることです。
 アベノミクスの「三本の矢」によって,日本を覆っていた重く暗い空気は一変しました。政権交代後,経済はプラス成長に反転し,有効求人倍率は22年ぶりの高水準,賃上げ率は過去15年間で最高です。また,企業の経常利益は過去最高水準です。
 各国が経済成長に向けて努力していくことで,お互いに,そして国際社会全体に良い影響をもたらす,そういうWIN-WINの関係を作っていきたいと考えています。成長戦略についても,電力小売市場の完全自由化など,岩盤規制の改革を決断。また,GPIFポートフォリオの見直しを実施しました。
 今後は,「稼ぐ力」を高めるためのコーポレートガバナンス改革や法人税改革,並びに,TPP,RCEP,日EU・FTA等,多方面にわたる経済連携の積極的推進など,更なる改革を,スピード感を持って実行していきます。
 更に力強く成長し,世界に貢献する日本を世界各国にご覧いただきたいと思います。


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