世界が報じた日本
海外主要メディアの日本関連報道
10月15日~10月21日
最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文をご参照願います。
掲載日:
15日付:
媒体名(国名):
執筆者(発信地):
レジス・アルノー記者(東京発)
日本のメディアによると,イスラム過激派組織「イスラム国」の戦闘員に加わろうとシリアへの渡航を計画していた学生が,10日前に渡航寸前にパスポートを警察当局から没収された。日本の新聞報道によれば,戦闘を志願するこれらの日本の学生はイスラム原理主義者ではなく,単に現在の生活を変えたかっただけという。学生は予定していたシリア渡航の数日前,日本人記者のインタビューに「もう1~2年日本にいたら多分自殺して終わるので,自分が死ぬことは全く問題がない」と話している。こうした無邪気な発言をみる限り,日本には若者をシリアに送る組織立ったネットワークはなさそうだ。
掲載日:
16日付:
媒体名(国名):
執筆者(発信地):
フィリップ・メスメール記者(東京発)
産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が10月8日,朴槿恵大統領に対する名誉毀損で在宅起訴され,日韓両国の緊張が再度高まっている。この出来事は韓国でメディアやソーシャルネットワークへの統制が強化されつつある中で発生しており,韓国の報道と言論の自由は厳しい状況に置かれている。11日,韓国の中道左派系ハンギョレ紙は,加藤記者の報道は倫理上批判されるかもしれないが,刑事訴追を受ける理由は全くないと批判し,「政治的動機」による起訴だと推測している。菅官房長官は「報道の自由や,日韓関係の観点から極めて遺憾だ」と語った。また,国境なき記者団は,「報道の自由はジャーナリストの特権というだけでなく市民の権利でもある」と批判し,さらに「朴大統領の不在は公益に関わる問題」と主張した。一方,米国務省のサキ報道官は,米国が既に韓国の名誉毀損罪などに関わる法律に懸念を示したことを明らかにしている。韓国では,朴大統領及びその家族を批判することは危険を伴うものになりつつある。ちなみに朴大統領の弟である朴志晩氏の名誉を毀損したとして,韓国のジャーナリスト2人が起訴されており,12月に判決が下る予定。
掲載日
17日付:
媒体名(国名):
執筆者(発信地):
ステファノ・カレル記者(東京)
安倍総理は、アジア・欧州ビジネスフォーラムでアベノミクスについて楽観的な見方を示した。また,欧州の企業へ日本への投資を呼びかけた。2013年の黄金期の後,4月の消費税増税,株価下落などで経済の勢いは弱まり,アベノミクスは困難に陥っているように見えるが,安倍総理はアベノミクスによって日本が変わりつつあり,上場企業のROE(株主資本利益率)が1.5倍になるなど,輝かしい結果をいくつもあげていると強調した。
外国人投資家には,法人税がすでに2.4%引き下げられ(復興特別法人税の廃止),さらに,2015年度からは段階的に30%以下にまで引き下げられる。地域的独占にあるエネルギー部門の改革にも言及した。安倍総理は,外国企業との協力促進がさらなるイノベーションのための鍵となると考えている。
安倍総理は,EUとの自由貿易協定及びTPPをできるだけ早く締結するとの約束を再確認した。しかし,TPP交渉は,アメリカが求める農業部門の関税撤廃について,日本が消極的であるために滞っている(安倍総理はミラノに出発する直前に,オバマ米大統領と電話会談を行った)。とはいえ,安倍総理は,伝統的な農業保護から,輸出促進へ改めるための改革を約束している。
ミラノ万博に関しては,「食べ物は,来年のミラノ万博のテーマである。この機会をとらえ,伝統的日本食,高品質の安全な食材,食器関連の「クールジャパン」商品等が,みなさんの食卓に乗るようにしたい」と述べた。
安倍総理はまた,特に職場における女性の地位向上のための施策を行ったことにも言及した。
掲載日
19日付:
媒体名(国名):
執筆者(発信地):
マーティン・ファクラー東京支局長(東京発)
共同通信は17日,ミラノで開催されたアジア欧州会議で,安倍総理と中国の李克強首相が握手したと報じ,日中両首脳間の待望の握手の実現に一歩近づいたように見られる。また,先週には,日本の外務省高官が中国政府を訪問し,日本のメディアは,日中両首脳間の握手を交渉するための訪問だと報じた。日本の高官の一人は,「一か月前には,日中首脳会談の実現の可能性は低いと述べただろう。現在では,日中双方が会談実現はそれぞれの利益に適うと考えるところまで来た」と述べた。