寄稿・インタビュー

ニュー・ライト・オブ・ミャンマー紙(ミャンマー)による岸田外務大臣書面インタビュー


(2014年8月9日付)

平成26年8月21日

(問)ミャンマーと日本の関係について。

(岸田外務大臣)本年,日本とミャンマーは外交関係樹立60周年を迎えます。両国の間には,2011年の民政移管以降,急速に発展している経済関係だけではなく,その礎となる互いに共鳴しあう長い交流の歴史があります。両国関係は,政治・安全保障,経済・経済協力,文化・人的交流等の幅広い分野で新たな段階へ飛躍しようとしています。また,ミャンマーは初めてASEAN議長国を務めますが,日本は引き続き全力で支援,連携していきます。
 今回の訪問は,私が初めてミャンマーを訪れた3月に続くものです。この4ヶ月余りの間に,両国の複数の航空会社の就航が可能となる航空協定改定議定書と,更なる経済交流を促進する投資協定が発効しました。日ミャンマー関係は,ミャンマーの街並みのように,日々発展と進化を続けています。そのような中で,日本は,ミャンマーの民主化・経済改革の進展や人々の暮らしの向上を引き続き支援していく考えです。

(問)日ASEAN関係をどのように見るか。

(岸田外務大臣)東アジアにおいて進展する様々な地域協力の原動力であるASEANがより安定し繁栄することは,日本の平和と繁栄のみならず,地域全体の安定と繁栄にとって極めて重要です。この認識の下,日本は2015年のASEAN共同体構築を積極的に後押ししてきました。特に,共同体構築の鍵を握る連結性強化,災害管理,人的交流といった分野での協力を推し進めています。
 このような中,昨年の日・ASEAN友好協力40周年の機会に東京で開催された日・ASEAN特別首脳会議において,日本とASEANの首脳は「日・ASEAN友好協力ビジョン・ステートメント」を採択し,政治・安全保障,経済・経済協力,新たな経済社会問題,文化・人的交流の4分野で中長期的な視座にたって,協力を進めていくことで一致しました。
 日本は,この「ビジョン・ステートメント」に示された協力を推し進めるべく,ASEAN事務局に1億ドルの日ASEAN統合基金(JAIF2.0)を設置するとともに,今後5年間で2兆円のODAのコミットメントを行います。また,300億円規模の「文化のWA(和・環・輪)プロジェクト~知り合うアジア」事業を立ち上げ,ASEAN諸国との芸術・文化交流,日本語学習者支援を実施しています。
 日本は今後とも日・ASEAN特別首脳会議のフォローアップを着実に進めていくとともに,自由,民主主義,基本的人権,法の支配等普遍的価値を共有するパートナーとして,ASEAN諸国との友好協力関係を一層強化していきます。

(問)南シナ海の状況をどのように考えるか。

(岸田外務大臣)南シナ海をめぐる問題は,地域の平和と安定に直結する,日本を含む国際社会全体の関心事項です。
 日本としては,「力」を背景とした一方的な現状変更を認めることはできず,各国が緊張を高める一方的な行動を慎み,「法の支配」の原則に基づき行動することが,地域における国際秩序形成にとって重要と考えています。
 こうした考えの下,安倍総理大臣は先般のシャングリラ・ダイアログで基調講演を行い,(1)海における「法の支配」のための3原則,すなわち,(ア)国家は法に基づいて主張をなすべきこと,(イ)主張を通すために,力や威圧を用いないこと,(ウ)紛争解決には平和的収拾を徹底すべきことや,(2)2002年行動宣言(DOC)に立ち返り,関係国が恒常的な物理的変更を伴う一方的行動をとらないこと,を提唱しました。
 日本とASEANは,海洋の問題につき,昨年の日・ASEAN特別首脳会議を始めとする様々な機会において,認識を共有しており,今後もASEANとの意思疎通,協力を深めていきます。

(問)ASEAN関連外相会議についての日本政府の立場如何。

(岸田外務大臣)ASEAN関連外相会議は,日本とASEANの協力の強化,アジア太平洋地域各国の間の信頼醸成の促進のための重要な機会です。この機会を通じ,この地域における平和と繁栄の実現に向けた我が国の考え方を積極的に発信し,参加国との連携を確認したいと考えています。
 ASEAN地域フォーラム(ARF)においては,北朝鮮や南シナ海など,地域の安全保障情勢についての活発な議論が毎年行われています。私としても,議長国であるミャンマーとも緊密に連携し,地域にとって特に重要なこれらの問題について率直な議論を行いたいと考えています。また,ARFにおける日本の取組についても説明したいと思っています。
 東アジア首脳会議(EAS)は,経済・社会問題のみならず,政治・安全保障分野について議論する首脳主導の主要なフォーラムとして,一層発展させるべき枠組みです。今回のEAS参加国外相会議では,地域情勢に加えて,日本としてEAS強化の方向性を打ち出したいと考えています。そしてその結果を,今後の首脳レベルでの議論に繋げていきたいと思っています。
 ASEAN+3(日中韓)協力においては,金融・食料安全保障など様々な分野における実務協力を議論したいと思っています。
 日メコン外相会議においては,「東京戦略2012」及び「行動計画」に基づく日メコン協力の進捗及び方向性を確認したいと思っています。
 ワナ・マウン・ルイン外務大臣を始め各国外相との間で忌憚のない意見交換を行うことを楽しみにしています。

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