寄稿・インタビュー

ポリティケン紙(デンマーク)による岸田外務大臣書面インタビュー


(4月30日付)

平成26年4月30日

「待ちこがれられていた日本人,コペンハーゲンに現る」

 それほど遠くない未来に,コペンハーゲンから東京までクルーズ船で旅することができるだろう。
 このコラムのタイトルは,真面目なテーマをユーモラスに見たものである。岸田外務大臣は,決してギャングのタイプの人物ではないが,あまりにも長い間,顔を見せなかった国の,極めて優秀な57歳の外務大臣である。
 デンマークが最後に日本の外務大臣の訪問を受けたのは29年前であるというのは,信じがたい事実である。
 以下は,ポリティケン紙が岸田外務大臣にインタビューを申し入れた結果である。私たちは日本大使館の助けを得て,日本政府のトップに接触することができ,正に,その公式訪問が始まる日に,外務大臣の回答をお届けすることができたのである。
 岸田外務大臣は冒頭で,「多くの日本人は,幼い頃にアンデルセンの童話を読みデンマークに親しみを持っています。また,「世界一幸福な国」と言われ,福祉が充実し,女性の社会進出が進んでおり,暮らしやすい国と考えています。」と述べている。

私たちは魅力的である

 岸田大臣は,デンマークはイノベーション力にあふれた魅力的な経済パートナーであると述べている。例えば,日本ではライフサイエンス,再生可能エネルギーなどの新しい産業分野でのデンマークの創造力が注目されている。
 外務大臣は,本年3月上旬,ヘレ・トーニング=シュミット首相が訪日し,安倍晋三総理との間で,戦略的パートナーシップの設立に関する共同声明に合意したことを思い起こしている。そして,そこではなかんずく,日本の北極圏への関心が取りあげられている。

(問)
 日本は,他のアジア諸国(中国,インド,韓国及びシンガポール)とともに,北極評議会のオブザーバー資格を得たが,日本は北極評議会内にそのような地位を得て,どのような戦略的意図を有しているか。

(岸田外務大臣)
 北極をめぐる近年の変化は,航路の開通や資源開発の可能性と同時に,気候変動や地球環境への影響,地域の住民の生活への影響等,様々な課題をもたらしている。北極圏における観測・研究活動に豊富な実績と知見を有しており,また地理的にも北極圏国に隣接している日本は,北極がもたらす可能性と挑戦への取組みに重要な貢献ができると考えている。
 重要な北極圏国のパートナーであるデンマークとは,北極評議会の枠組みを通じて,持続可能な開発,環境保護,汚染対策等の北極圏に係る共通の課題に対し,共に協力して取り組んでいきたいと考えている。

(問)  日EU経済連携協定(EPA)交渉を進める上で,日本はデンマークにどのような支援を期待しているのか。

(岸田外務大臣)  日EU・EPAは日本の成長戦略の重要な柱であるとともに,日本とデンマーク,更には欧州の経済成長に資するものだ。日欧産業界からも大きな期待を受けており,日本は,包括的かつ高いレベルの日EU・EPAの早期締結を目指して精力的に交渉を進めている。
 デンマークは,欧州における自由貿易の一貫した旗振り役であり,EU側による交渉の見直しにあたっては,交渉の継続と一層の進展に向けた力強い支持を引き続き期待している。

(問)
 日・デンマーク戦略的パートナーシップに関する共同声明は,日本のEU及び北極圏における目標達成をどのような形で後押しできると考えるか。

(岸田外務大臣)
 日本は,欧州との包括的な関係強化に取り組んでおり,日EU・EPA及び戦略的パートナーシップ協定(SPA)の早期締結を重視している。

コペンハーゲンから東京までのクルーズ船ツアー

 グリーンランドについて,外務大臣が述べている。

(岸田外務大臣)
 北極圏については,日・デンマーク両国は,同じ海洋国家として,北極圏での環境保護,国際法の尊重,北極圏に住む人々の利益となる形での持続的な利活用などの基本原則を確認している。

 日本の外務大臣は,直接的ではないものの,コペンハーゲンから東京へのクルーズ船航海の可能性についてもコメントしている。

(岸田外務大臣)  近年,北極海航路の利用可能性やグリーンランドの資源開発が注目を集めている。私は,日本とデンマークが海洋をめぐるルール作りを通じた法の支配の強化,最先端の環境技術などの知見の共有,資源の共同開発などの分野で協力を推進できると考えている。

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