世界が報じた日本

7月2日~8日

平成26年7月8日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文をご参照願います。

掲載日:

7日付:

紙面(国名):

ニュージーランド・ヘラルド紙(NZ)

 安倍総理はTPP交渉における日本の役割への批判に対しても動じない。日本の農業市場のアクセスでの野心的強硬路線姿勢は,ニュージーランドとアメリカの農業ロビーグループ間で,日本抜きで協定を妥結させようとする動きを生んでいる。総理は世界第三の経済大国である日本が加わることでTPPの戦略的重要性は増すと強調した。「これまで米国と親密な関係を築いてきた一方,アジアの国々との信頼関係構築にも注力してきた。」,「日本はその立ち位置を活かし交渉全体において橋渡し役を務めることで,野心を保ちつつ,協定がバランスあるものとなるよう努力しています。」と言及した。「日本は,先般のオバマ米大統領訪日時の日米交渉によって生まれた好機をとらえ,米国と共にTPP交渉全体の妥結に向け協力し,他の参加国とも精力的に協議しています。引き続き,包括的で高い水準の協定の早期妥結に向けて,その役割を果たしていきます。」,「特に農業については,40年以上続いたいわゆる減反政策を廃止します。」と安倍総理は本紙に述べた。コメは牛肉,乳製品,麦,砂糖とともに,日本の農業において機微な5分野の一つである。「農業を競争力のある成長産業とするため,60年ぶりに農協改革に果敢にチャレンジします。」と安倍総理は言う。

掲載日:

5-6日付:

紙面(国名):

リベラシオン紙(仏)

執筆者・掲載欄・発信地:

アルノー・ヴォルラン記者(京都発)

 日朝間協議で,北朝鮮による日本人拉致事件の解決に向けた取り組みのための譲歩条件として,北朝鮮に対する制裁の一部を解除することを日本政府は決定した。北朝鮮が日本人拉致事件の調査を再開することを約束したため,日本は今回このような制裁解除に踏み切った。ドイツ日本学研究所のマスロー研究員によれば,北朝鮮がこれほどにまで日本に信頼を置いているのは珍しいことであるという。北朝鮮は,2002年にも本件の解決に献身した安倍総理は交渉に応じるものと知っており,また日本から人道的・経済的援助を得ることを期待して,今回との協力を決定したものとみられている。また,唯一の同盟国である中国が,北朝鮮の天敵韓国と距離を縮めようとしている今,世界における外交的孤立を回避しようとしていることも,金国家主席(ママ)の目的である。

掲載日:

2日付:

紙面(国名):

フランクフルター・アルゲマイネ紙(独)
タイトル:
普通の国へ向かうのか

執筆者・掲載欄・発信地:

カーステン・ゲルミス在京特派員

 東アジアと南アジア地域で政治的緊張が高まる中,安倍総理は日本の安全保障政策の歴史的方向転換を開始した。霞が関の街頭で大規模な抗議行動が繰り広げられる傍ら,内閣は1日の閣議決定により,日本の兵士が海外ミッションでこれまでよりも大きな役割を担い,「集団的自衛権」を行使できるよう道を開いた。これにより,日本は第二次世界大戦以来初めて,自国が直接攻撃されていない場合であっても米国のような同盟国と肩を並べて戦うことが可能となる。安倍総理は憲法を改正することなく,安全保障政策の方向転換を遂行する。憲法9条は平和主義を明文で義務付けており,日本の兵士は自らが攻撃された場合のみ武器の使用を認められ,国連平和維持活動の後方支援は許されているが,同盟国を守るために武器を使用することは許されない。安倍総理自身は,ドイツを引き合いに出すことを好む。「日本は積極的平和主義を新たに打ち出したが,これはドイツと方向性を同じくする」と総理は数週間前の訪独時に述べている。国際貢献を強化する決定は日米防衛協力指針の改定とも関係する。米国は日本がこれまでよりも多くの負担を担うことを求めているが,現状における9条の制約では厳しい状況であった。安倍総理は日米同盟をアジア地域の平和の支柱であると位置づけている。憲法の新解釈を強引に押し通そうとしているとの批判に対して,安倍総理は「当然,議会の立法過程で時間をかけて審議される」と反論した。本紙の調べによると,日本は批判派の不安に配慮し,議会の承認を導入する方針だ。

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