世界が報じた日本

6月25日~7月1日

平成26年7月1日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文にあたって下さい。

掲載日:

1日付:

紙面(国名):

ニューヨーク・タイムズ紙電子版(米)

執筆者・掲載欄・発信地:

マーティン・ファクラー東京支局長(東京発)

 日本は1日,攻撃を受けている同盟国を自衛隊が支援できるようにする反戦憲法の再解釈を安倍総理が発表したことで,地域安全保障においてより積極的な役割を果たすことに向けた,象徴的で重要な一歩を踏み出した。安倍内閣によるこの決定は,自衛隊の活動を厳密に自衛にのみ制限してきた,60年以上にわたって維持されてきた憲法の解釈を変更するものだ。大半の日本人は,少なくとも暫定的に変更を認めているように見え,中国の軍事力の台頭及び,現在日本が支配している島群の領有権について益々強引さを増す中国の主張に対する懸念の高まりを示しているとアナリストらは述べる。総理は会見で,新たな政策により,日本が米国主導の遠くの戦争に巻き込まれることはないと表明し,反対者の懸念の緩和に努めた。総理は,「日本が戦争をする国になることはあり得ない」「自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは,これからも決してない」と述べた。

掲載日:

6月30日付:

紙面(国名):

フィナンシャル・タイムズ紙(英)

執筆者・掲載欄・発信地:

安倍総理寄稿

 私が日本再生に向けた取り組み案を導入してから,日本の先行きに関して受ける三つの質問がある。まず,人々は私が第三の矢に真剣に取り組んでいるのかを知りたがっている。答えは間違いなくイエスだ。構造改革は今月シフトアップした。コーポレート・ガバナンスの強化も,株主価値を高める上で重要だ。二つ目の質問は,4月からの消費増税に日本経済は耐えられるかというものだ。1997年とは異なり,励みになる兆候が出ている。雇用市場も改善しつつある。日本経済の再生は,世界経済に貢献している。三番目の質問は,「高齢化し,出生率が低下する日本で,経済成長は持続可能か」というものだ。ウーマノミクスの旗印の下,53万人の女性が労働市場に参入し,大企業は管理職に女性を採用すると約束している。また,若年層や高齢者,特別な才能を持つ人々など,これまで活用されてこなかった人材が能力を発揮できるようにすることで,堅調で持続可能な成長が実現されるだろう。経済再生なくして,財政再建はあり得ない。しっかりと経済を再生することで,財政局面を改善していく。国民は決められない政治からの脱却を望んでいる。国民の支持を受け,私は改革アジェンダを実行すべく真摯に取り組んでいる。

掲載日:

6月29日付:

紙面(国名):

ラスメイ・カンプチア紙(カンボジア)
タイトル:
日本国岸田外務大臣へのインタビュー:「緊密化する日カンボジア関係」

 両国関係の将来は大変明るいと確信している。「戦略的パートナーシップ」へと格上げされた日カンボジア関係は,今後あらゆる分野で一層強化され,両国は,地域・国際社会でも重要なパートナー同士として連携を強化していくだろう。これらを通じてウィン・ウィンの関係を築いていくことを期待している。南シナ海をめぐる問題は地域の平和と安定に直結し,日本を含む国際社会全体の関心事項。日本は,海洋において法の支配が貫徹されなければならないと強く訴えている。また,中国とASEANの双方が,2002年の行動宣言の精神と規定に立ち返り,不可逆的な物理的変化を伴う一方的行動をとらないことを約束すべきと提案している。日ASEAN間では,海洋の問題につき,昨年の日・ASEAN特別首脳会議等を通じて,基本的な考え方を共有している。また,日本はASEAN諸国の海上能力構築への支援を強化することとしている。

掲載日:

6月25日付:

紙面(国名):

ニューヨーク・タイムズ紙(米)

執筆者・掲載欄・発信地:

田淵弘子記者

 昨年急騰した株価は,最近その勢いを失っている。安倍総理がその野心的な目標をどれだけ実際に達成できるかという国内外の投資家の懸念が強まっているからだ。安倍総理はこの状況の打開策として講じる新たな経済措置で,日本におけるビジネスの中核をなす,企業間の癒着という,聖域中の聖域と見なされていた領域の一つを変革することを約束した。また,日本の経済成長に弾みをつけるための新たな成長戦略を発表した。こうした見直しは,望ましくない外部からの干渉を最小限に抑えるために数十年続いてきた,株式持合いの慣習に終止符を打つことをも目指している。こうした慣習の廃止に向けて様々な努力が行われているにもかかわらず,企業間癒着は依然として一般的であり,また,政府がどれほど効率的に,株式持合いに対して企業に圧力をかけられるかどうかも不明だ。安倍政権の経済戦略は優れていると広範に見なされているが,その実施は課題だ。アベノミクスの大半は,攻撃を避け,強力な官僚と利益団体の支持を得るために,意図的に曖昧にされている。これらの詳細を決定し,総理の目標を骨抜きにするための圧力を回避することが,大きく賞賛されている安倍氏の政治手腕に対する真の試金石となるだろう。

掲載日:

6月25日付:

紙面(国名):

ノイエ・チューリッヒャー紙(スイス)

執筆者・掲載欄・発信地:

パトリック・ツォル在京特派員

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