世界が報じた日本
海外主要メディアの日本関連報道
4月15日~22日
最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文にあたって下さい。
掲載日
21日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
キャロル・ジャコモ編集委員
今週のオバマ大統領の日本・韓国・フィリピン・マレーシア訪問において,オバマ大統領によるアジアへの関与拡大の計画を明確にすることが重要である。日本は特に,米国が議会の圧力によって軍事費を削減していることに神経質になっており,中国との紛争が生じた際に米軍を派遣するのかを疑問に思っている。オバマ大統領にとっての課題は、中国との緊張を悪化させることなく、アジアの同盟国との関係を深化して、域内の安定性を強化し、公海航行の自由を維持することである。TPP交渉締結の重要性は繰り返し主張されている。日本と米国は農業問題の相違解決に向け取り組んでおり、オバマ訪日の間に大きな進展が発表される可能性がある。相違は狭まっていると伝えられているが、その結果は疑わしい。オバマ政権は、同政権のアジア政策にとって不可欠の日本と韓国の間の敵意―第二次世界大戦中に日本軍兵士が韓国人女性を性奴隷として使用したことを巡る敵意を含む―の緩和を促すことにもより力を入れている。アジアは、世界経済の成長にとって主要な原動力であり、日本と中国、日本と韓国及び中国と比較的小さな海国との間で高まる緊張は、そうした原動力を危険にさらす懸念がある。不安定で混乱した世界は引き続き米国の注意を求めているが、アジアは未来であり、最優先であるのは当然だ。
掲載日
16日付
紙面(国名)
執筆者・掲載欄・発信地
ヨヘン・ビトナー ・ ディ・ツァイト紙政治部長(東京発)
私が当地で会った多くの日本の政府関係者の唯一の望み-戦後約70年たった現在、日本がドイツのような「普通の国」になること-に共感を禁じ得ない。しかし、「普通」とは慎重を要する概念である。真に「普通」の国などない。しかも、この願望は、普通-軍備強化の権利を含む-であることが、東アジアの主要国間で既に進行中の不信の連鎖を煽りかねない時に持ち上がっているのである。私は、日本の政府関係者や観察者と話した結果、ドイツと日本の相違にもかかわらず、ドイツの経験から現在の日本が学ぶことが可能であると確信した。日独が戦後異なる経過をたどったことにはそれなりの理由があったろう。しかし、長期的な平和が実現されるためには誰かが地域の和解の先鞭をつけなければならない。その責務を最も負うべきは日本をおいて他にない。ここで、ドイツとの対比が参考となる。ブラント首相がワルシャワ・ゲットーのユダヤ人慰霊碑の前で行ったように、安倍総理が南京大虐殺記念館の前でひざまずくことを期待するものは誰もいない。しかし、ドイツが過去を受け入れる過程で学んだように、強力な象徴は事実よりも役に立つことがある。日本の一部の学者が、中国のプロパガンダが南京大虐殺の犠牲者数を水増ししていると主張するのは正しいかもしれない。しかし、その影響を緩和する最も容易な方法は、印象的で永続する罪悪感の表明を行うことだ。ドイツからのもう一つの教訓は、たとえ十分な根拠があると思っても、他者を非難する誘惑に耐えることだ。和解は勇敢さと寛容さを必要とし、また、それを欲しないと実現しない。和解の報酬が新たに獲得する「普通であること」だ。そうしなければ、1914年の欧州で起きたことが東アジアで繰り返されてよいのか?近隣諸国のいずれよりも日本に、近隣諸国に対して行動を起こすことでそれを防止する責任がある。日本が普通の国であることを証明する最善の方法はおそらく困難な状況下で不屈の勇気を持つことだ。