寄稿・インタビュー

インターファクス通信「日本に対して事実に反するレッテルを貼ろうとしても無駄だ」(原田親仁駐ロ大使寄稿)

2014年1月16日付

平成26年2月6日

 2014年1月10日にインターファクス通信に掲載されたリ・フエイ駐ロシア中国大使の寄稿文を大きな失望を持って受け止めた。

 リ・フエイ大使の寄稿文は,安倍総理による靖国神社参拝に対する反対にとどまらない。むしろ,そのことを利用して,日本の戦後の歩み及び現在の国際社会における日本の在り方を歪曲して伝え,根本的に否定しようとするものである。私は,中国大使と不毛な論争を繰り広げるつもりはない。しかし,我が国に対する言われなき中傷を看過することはできない。

 一点の曇りもなく申し上げられることは,日本は,戦後一貫して自由,民主主義,法の支配を擁護し,アジアを含む世界の平和と繁栄に実際に貢献してきたということである。戦後日本の平和国家としての歩みは今後も全く変わらない。日本は,戦後一貫して平和の道を歩んできたが,今後とも世界の平和と繁栄のために貢献していくことは,安倍政権の外交の最優先事項である。

 安倍総理が靖国神社を参拝した後に発出した「恒久平和への誓い」と題する談話は,日本大使館のホームページにも掲載されているので一読していただきたい。この談話で述べられているとおり,安倍総理による靖国神社の参拝は,すべての戦争犠牲者の御英霊に対して哀悼の意を捧げ,尊崇の念を表し,過去への痛烈な反省の上に立って「二度と人々が戦争の惨禍に苦しむことがない時代をつくる」との決意を込めて,不戦の誓いを行うためのものである。戦犯を崇拝し,正当化する趣旨ではない。

 日本は,中国との関係を重視しており,アジア太平洋地域の安定と繁栄のためにも,大局的観点に立って中国との関係を強化していくとの外交方針は変わらない。しかしながら,中国側が「世界の戦後秩序への挑戦」,「第二次世界大戦の結果の否定」,「軍国主義の復活」等の言辞を用いて,日本に対して事実に反するレッテルを一方的に貼ろうとしていることは残念でならない。日本は,責任ある民主主義国家として,中国及びロシアを含む国際社会と未来志向の協力を行いながら,世界の平和と安定に貢献していくことを望んでいる。ロシアとの関係では,昨年4月の安倍総理訪露の際にプーチン大統領と共に発出した共同声明において,日露両国がアジア太平洋地域及び世界の安定と繁栄のために協力・連携することの重要性を確認しており,実際にも,様々な分野でパートナーシップを強化している。中国に対しても,日本の対話のドアは常にオープンである。中国に対しては,大局を見失うことなく,また,過去と現代を歪曲された形で結びつけようとせずに,冷静な対応をとることを求めたい。

2014年1月16日
駐ロシア日本国大使
原田 親仁

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