寄稿・インタビュー

タイムズ・オブ・インディア紙(インド)による岸田外務大臣インタビュー

(2015年1月17日付)

平成27年1月21日

英語版 (English)

アベノミクスはモディノミクスを加速,岸田外務大臣:日本は「メイク・イン・インディア」計画を後押しできる

 日本の岸田文雄外務大臣は,再任後最初の外国訪問先としてインドを選択した。この度,二国間関係に関する日本の考えを伺った。

【問】ナレンドラ・モディ首相の2014年9月の訪日以降,日インド関係を発展させて行く上で何が優先分野とお考えか。モディ首相訪日以降いかなる進捗が見られるか。

【答】インドとの関係強化は,インド太平洋地域の未来にとって極めて重要と考えます。日印間では首脳,閣僚レベルを含め人の往来が活発化していますが,インドが得意とするITを利用した最新技術は,両国の距離を更に近づけることでしょう。実際,モディ首相は安倍総理とツイッターメッセージを頻繁に交わし,私はスワラージ外務大臣からEグリーティングカードを頂いたばかりです。
 日本とインドは基本的価値と戦略的利益を共有しており,インド太平洋地域の平和と繁栄を牽引する上で重要な役割を果たします。また,国際社会の共通の課題,例えば,安保理改革,軍縮・不拡散,平和維持,テロ対策に対処する上でも大きな力となるでしょう。

【問】日本は「メイク・イン・インディア」プログラムの優先国である。首相は日本企業のために「ジャパン・プラス」チームまで立ち上げた。これは,例えば新幹線のインド導入に効果的とお考えか。

【答】「Come, Make in India」をキャッチフレーズに,製造業誘致に高い優先度を置くモディ首相の「モディノミクス」は,新たな市場の創出や世界経済との更なる統合を掲げるアベノミクスと相乗効果(シナジー)を生むでしょう。
 日本企業の進出を助け,ビジネス環境を改善する「ジャパン・プラス」の設置を高く評価しています。ある調査によれば,日本企業の中期的有望事業展開先として,インドが初めて第一位を獲得しました。インドで操業している日系企業数は毎年増えており,1,200社を超えています。
 日本は,新幹線をインドに導入することにより,モディ首相が掲げる「ダイヤモンド四辺形」構想の実現をお手伝いできると考えています。現在,ムンバイ=アーメダバード間の高速鉄道計画について,日印共同調査が行われています。安全性・信頼性の高い日本の高速鉄道の技術をインドに導入することは,「Make in India」政策に大きく貢献することができると考えています。

【問】貴大臣は,2015年の課題としてどのようなものがあるとお考えか。日中関係の現状は。

【答】太平洋とインド洋は,自由の海,繁栄の海として,ダイナミックに結合しつつあり,地域諸国はめざましい発展を遂げ,世界の重心はこのインド太平洋地域に移動しつつあります。また,気候変動や感染症といった地球規模課題への対応,テロ,開かれ安定した海洋の維持など,新たな課題も増加しています。日印のパートナーシップは第三国を対象としたものではないため,日本とインドはこうした諸課題への取組をリードする責務と能力を有しています。
 日中関係については,北京APECの際に2年数ヶ月ぶりに日中の指導者が会談し,関係を改善させていくことで一致したところです。

【問】日本とインドが原子協力協定を結べなかったことに対する落胆の声もある。何が支障となっているのか。

【答】民生用原子力協定交渉については,昨年9月の日印首脳会談において率直な意見交換が行われました。両首脳は,日印関係を強化するため,早期妥結に向けて原子力協定交渉を更に加速することで一致しました。今般の戦略対話でも,同じメッセージを携えてまいりました。

【問】貴大臣とスワラージ外相との会談で議論する内容は何か。

【答】インド太平洋地域の平和と繁栄の確保や安保理改革についての協力について意見交換する考えです。政治安保分野では,共同海上訓練を含む安全保障協力等について議論する予定です。インドのビジネス環境の改善,高速鉄道を含むインフラ分野での協力についても意見交換を行う予定です。また,北東州の人々に最新のインフラを提供することなどを通じ,日印両政府が地域連結性を強化することについてもスワラージ外相と協議する予定です。


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