世界が報じた日本
海外主要メディアの日本関連報道
2月18日~25日
掲載日
24日付
紙名(国名)
執筆者(発信地)
ケン・モリツグ東京支局長
日本の外務大臣は,第二次世界大戦に関する最近の右派的な発言は「大変遺憾」であり,日本政府の見解と違うと述べて,これらの発言から距離を置こうと試みた。AP通信とのインタビューで,岸田文雄外務大臣は,域内における中国の軍事力の増強は懸念事項であると述べたが,脅威と呼ぶまでには至らなかった。最近,NHK経営陣のひとりが南京大虐殺を否定し,また他のひとりが第二次世界大戦中の性的奴隷であるいわゆる「慰安婦」の利用を軽視したことで批判を巻き起こした。 これらの発言は,中国と韓国から怒りの反応を招き,また多くの者から,日本政府が右傾化している証拠であると見なされることとなった。岸田大臣は,日本の外交政策と歴史認識は一切変わっていないと述べた。「こうした発言によって日本政府の見解に誤解が生じるとしたならば,大変遺憾であると考えている。」日本政府は,1993年に元慰安婦に関して,また1995年の終戦50周年には,もっと一般的な意味で自国の「植民地支配と侵略」に関して謝罪を行った。安倍総理は,これらの謝罪を継承すると繰り返し述べているが,総理は過去に,大戦中の日本の役割に関する描写について疑問を投げかけていた。NHK経営陣の発言は,安倍政権が,保守的で修正主義者的な議題を推し進めているのかも知れないことを示唆する,ここ数週間で発生した一連の出来事の一つである。中国は脅威となるかと問われた岸田大臣は,中国は日本にとって最も大切な国の一つであると述べた。「中国が平和的に発展するならば,我が国にとっても,地域にとっても利益でありチャンスであると考えている。そういった意味からすると,中国は我が国にとっての脅威ではないと思っている。」他方,大臣は,中国の透明性を欠いた軍事力の増強と活動の活発化は,「地域社会全体の共通の懸念事項」であり,日本は動向を注視していくと述べた。日本は,中国が係争中の島群周辺に公船を派遣し,同島群上空に新たな防空識別圏を設定することで,その主張を強化しようと試みることに関して特に懸念している。安倍総理と,中国と韓国の両首脳との関係は凍てついており,総理就任一年目に行った首脳会談の試みははねつけられた。岸田大臣は,日本政府は,民間交流や議員交流を積み重ねていくことで,対話の実現に向けて努力していくと述べた。大臣は,「日本と中国,日本と韓国の間には,個別の問題があり,難しい局面にあるとは思う」と述べた。「こういった時だからこそ高い政治レベルの対話が重要であると考えている。」
掲載日
22日付
紙名(国名)
執筆者(発信地)
マーティン・ファクラー東京支局長
東京都内の公立図書館で『アンネの日記』に関連する書籍のページが破られる事件について日本当局が捜査を開始すると約束した。日本では反ユダヤ主義はあまり見られないが,時折,ホロコーストを否定したり,歴史的出来事はユダヤの陰謀だと主張する雑誌記事や書籍が書かれると指摘。ロサンゼルスに本部を置くユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が20日,今回の破損行為に強い非難を表明した声明を発表した。菅官房長官は21日,「遺憾で恥ずべきこと」と記者団に述べ,警察による捜査を約束した。
掲載日
21日付
紙名(国名)
執筆者(発信地)
若月陽子記者,ジェスロ・ミュレン記者
現地自治体関係者が金曜日に述べたところによると,東京の公立図書館で所蔵されている「アンネの日記」及びホロコーストに関する多くの書籍が破られるなどの被害を受けている。杉並区,中野区関係者によると,少なくとも167冊の書籍,その大部分は『アンネの日記』関連書籍だが,これらの書籍中のページが破られている。