寄稿・インタビュー

平成30年8月16日

【問】今次ペルー訪問の意義いかん。

【河野大臣】昨年8月に外務大臣に就任して以来,今回,初めてペルーを訪問しました。ビスカラ新政権との間でも初めての日本の閣僚訪問となりますが,今回のペルー訪問により,日ペルー外相会談は3年連続して開催されることになります。
 日本とペルーは,中南米諸国の中で最も長い140年を超える外交関係を有し,民主主義,人権,法の支配,市場経済等の基本的価値を共有する戦略的パートナーです。APECやTPPといった地域的枠組みにおいても,両国は太平洋を挟んだ重要なパートナーです。

【問】ペルーには大きな日系人社会があるが,日系人はどのような役割を果たしているか。

【河野大臣】ペルーには,南米で最も伝統が長く,現在約10万人の規模に発展した日系社会が存在し,両国の架け橋として重要な役割を果たしてきました。
 日本人移住120周年を迎える2019年の「日ペルー交流年」に向けて,ペルー政府及び国民と共に様々な記念行事を実施し,盛り上げていきたいと思います。

【問】日本はペルーに対しこれまでどのような協力を行ってきたか。

【河野大臣】日本はインフラ整備,環境対策及び防災対策を中心に40年以上にわたりペルーに対して開発協力を実施してきています。ペルーは中南米諸国の中で,日本のODAの最大の受益国です。昨年の豪雨災害でも緊急援助を実施しました。
 近年では,ICT分野の協力が急速に進んでおり,日本企業と連携して防災,防犯,医療といった分野でICTを活用した協力が成果をあげています。インフラ分野についても,ビスカラ大統領が昨年運輸通信大臣として訪日し,ペルーへのインフラ投資について日本企業の参加を呼びかけ,日本企業も高い関心を示したところです。

【問】二国間の通商関係,政治関係の現状いかん。

【河野大臣】日本とペルーは,APECのメンバーであり,かつ,TPP11参加国であり,自由貿易推進の重要なパートナーです。また,ペルーは,現在,太平洋同盟の議長国に就任していますが,日本としては,基本的価値を共有するグループである太平洋同盟との間で連携を強化していきたいと考えております。
 更に,OECD加盟を目指し,国連安保理非常任理事国を務める等,国際社会で一層大きな役割を担おうとしているペルーとの関係は日本にとって非常に重要です。
 明年の「日ペルー交流年」を大いに活用して,ビスカラ新政権と共に,日本とペルーの戦略的パートナーシップ関係をさらに強化していきたいと思います。


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