寄稿・インタビュー

テレグラフォ紙(エクアドル)による河野外務大臣インタビュー
(2018年8月13日付)
「日本はモレノ政権の開放的な政治・経済改革を支持する」

平成30年8月16日

 病原性梅毒のワクチンを発見した日本の細菌学者である野口英世は,100年前にグアヤキルに到着し,この年,エクアドルと日本の外交関係が樹立された。河野太郎外務大臣は,初めてエクアドルを訪問し,モレノ大統領を表敬し,日エクアドル友好議員連盟と懇談する。テレグラフォ紙のインタビューに対し,河野大臣は,日エクアドル間の経済,政治,社会,協力関係について答えた。

【問】野口英世がエクアドルにもたらした影響を思い起こしつつ,二国間の交流を更に促進させるためにはいかなる取組が必要だと考えるか。

【河野大臣】野口英世博士も100年前にエクアドルを訪れました。彼の探していた黄熱病の病原体の発見により,新たなワクチンが精製され,多くの命を救った功績が,今でもエクアドルの人々の記憶に留まっていることを嬉しく思います。
 太平洋を挟んだ隣国であるエクアドルとは,伝統的に友好関係を発展させてきました。そして日本は,「貧困削減と公平な社会に向けた格差是正」を開発援助の中核とし,「格差是正」及び「環境保全・防災」を援助重点分野としてエクアドルに開発協力を行っています。エクアドルの発展を最大限に支援すべく,本年2月,JICAのエクアドル支所を事務所に格上げし,体制を強化しました。

【問】4月16日のエクアドルにおける地震を受け,JICAを通じて日本がエクアドルに対して行った支援において象徴的なプロジェクトは何か。

【河野大臣】防災は日本・エクアドルの共通の課題です。JICAはエクアドルに対し,技術協力を通じて災害警報システムの整備等を実施しています。保険分野では無償資金協力や本邦研修,青年海外協力隊の派遣を通じて医療環境整備への協力を行っています。教育分野では,国費留学生の受入れの他,環境教育や幼児教育等の分野で青年海外協力隊の派遣が行われています。またJuntos!!プログラムを通じて,人的交流の促進にも努めています。

【問】エクアドルのビジネス環境に対する評価いかん。

【河野大臣】日本政府はモレノ政権の開放的な政治・経済改革を支持します。政治・経済改革の本格的な実施により,日本企業の更なる進出に繋がるビジネス環境・投資環境整備が進めば,貿易の多様化にも資するものと期待しています。日本としても,日本企業による貿易・投資の更なる促進に向けて,本年2月に日本貿易保険(NEXI)による対エクアドル引受方針を緩和しました。これにより,日本企業は,より安全にエクアドルとの取引に臨むことができるようになります。

【問】日エクアドル経済関係は,エクアドルによる原材料の輸出と日本による技術や工業製品の輸出が基本的構造となっている。今後ともこのような通商関係が続くと考えるか。

【河野大臣】更なる投資ポテンシャルがある分野として,エクアドルには天然資源やエネルギーが豊富であると承知しています。こうした分野への投資は,エクアドルの開発促進のためにも重要です。この度,日本政府はエクアドルの持続可能な発展に貢献すべく,エクアドルのエネルギー構成転換に係るプロジェクトに対して20年ぶりとなる融資を供与する方針を決定しました。バナナやカカオ豆,エビ等のエクアドル産農水産品は日本でシェアを拡大しています。特に,フレーバービーンズと呼ばれる質の高いカカオ豆の需要が伸びており,カカオ豆の対日輸出促進支援も行っています。最近は,ブロッコリー等の高原野菜の加工工場をエクアドルに設ける日本企業もあり,こうした動きは非伝統産品の輸出拡大を通じてエクアドルの貿易の多様化につながるものと期待しています。

【問】エクアドルにおける新たな投資先として関心がある分野及びその理由いかん。

【河野大臣】日エクアドル間では,近年,情報通信(ICT)分野での協力関係が官民で進展しています。ICT技術は私たちの社会と生活を大きく変えていく可能性を秘めており,是非エクアドルに日本の優れた技術を活用してほしいと願っています。そのため,例えば8月にはキトで多くの政府関係者,防災の専門家,大学関係者の参加を得て,防災ICTセミナーを開催し,ICT技術をいかに防災に役立て得るか紹介しました。


このページのトップへ戻る
寄稿・インタビューへ戻る