グローカル外交ネット

令和6年12月6日

佐野市産業文化スポーツ部観光推進課

 令和6年11月18日及び19日、外務省と栃木県佐野市は、駐日外交団を対象とした佐野市視察ツアーを実施し、9か国から12名の大使他が参加しました。視察ツアーでは、市制20周年を迎える佐野市の「古今東西魅力体験ツアー」をテーマに、佐野市がもつ多様な魅力として産業、特産品、食、観光、スポーツなどを駐日外交団に紹介しました。

1 佐野市国際クリケット場

佐野市国際クリケット場でさのまるとクリケット体験

 駐日外交団は、日本唯一の国際規格の広さを備えた本格的なクリケット競技場を訪問しました。日本クリケット協会事務局長より、グローバルスポーツの拠点としての活動についての講義を行った後、クリケットの日本代表選手と共に、秋晴れの中、クリケット体験をして体を動かしました。また、佐野ブランドキャラクターの「さのまる」も登場し、一緒にクリケットをしたり、写真を撮ったりと外交団はリラックスした様子でした。

2 外務省主催昼食会(於:大ぐり山荘)

 少しずつ色付き始めた里山の風景が広がる「大ぐり山荘」で外務省主催の昼食会が行われました。菱山聡外務省地方連携推進室長より、この地方視察ツアーを通して、佐野市の多様な魅力への理解が深まるとともに、参加各国と佐野市の交流が発展することを期待する旨が述べられました。駐日外交団は、佐野市内で採れた天然きのこの釜飯等、季節の食材をふんだんに使用した料理を堪能しました。

3 若林鋳造所

 「天明鋳物」とは、当時の佐野の地名「天明」からきており、その歴史は千年以上続く、現存する国内最古の鋳物です。一行は、その天明鋳物を生産している若林鋳造所を訪問しました。14世紀頃から栄えた「茶の湯」文化に欠かせない存在であった「茶釜」の話などを聞き、その長い歴史に触れた後は、オリジナルの鋳物のお皿(銘々皿)を作る体験を行いました。外交団はそれぞれ好きな型を選び、溶かした金属を流し込み、丁寧に磨いた後、この旅の思い出に大切に持ち帰りました。

4 第一酒造株式会社

 延宝元年(1673年)創業の栃木県内で最も歴史のある酒蔵を訪問しました。創業時から農業も営む同社は、農業と酒造りが一体となっており、その酒蔵や田んぼを実際に見学し、試飲を通して、佐野の名水から造られる銘酒を味わいました。

5 佐野市観光物産会館

 佐野市で作られたものを中心に幅広い品揃えを誇る物産館に立ち寄りました。外交団は、佐野市の銘菓や、天明鋳物などの伝統工芸品、さのまるグッズなど、このツアーのお土産品をじっくり選んでいました。

6 佐野市長主催歓迎夕食会(於:ホテル一乃館)

ホテル一乃館での佐野市長主催歓迎夕食会

 美しい日本庭園が望めるホテル一乃館の大広間で、佐野市長主催の歓迎夕食会が開かれました。同日に訪問した第一酒造で造られたホテルオリジナル酒の「清酒弁天池」で乾杯し、佐野市の名水で作られた料理の数々や、いもフライなどのB級グルメのアレンジメニューを堪能しながら、親交を深めました。佐野市出身のアーティストによる日本舞踊や和楽器の演奏もあり、会は終始和やかな雰囲気で進められました。また、夕食後には、佐野市長の案内のもと、ホテルの目の前にある、日本名水百選に選ばれた「出流原弁天池」のライトアップを鑑賞し、この時期限定の美しい夜の景色を楽しみました。

7 佐野ラーメン作り体験、佐野市主催昼食会(於:あきやま学寮)

 2日目は、佐野市の自然が豊かな北部エリアに移動し、佐野のご当地グルメである佐野ラーメンを麺から作る体験を行いました。佐野ラーメンの特徴である、青竹でリズミカルに麺を打つ体験をしたり、餃子や、食後のお団子も地元のお母さんに教えてもらいながら作り、外交団は、佐野の豊かな食文化に触れることができました。

8 吉澤石灰工業株式会社

 江戸時代から石灰の町として栄えた葛生地区の吉澤石灰工業より熱い歓迎をうけた外交団は、本社にて会社概要の説明を受け、社長と交流した後に、三峰鉱山へ移動し、実際に石灰岩が採掘されている現場を視察しました。壮大なスケールの鉱山に圧巻された外交団は、採掘から市場へ流通されるまでの流れを学び、同社の輸出入についての質問をするなど、積極的な質疑応答が行われました。

9 フレスコ画制作体験(於:葛生化石館、葛生伝承館)

フレスコ画の制作体験

 石灰とともに発展してきたこの地区への理解を深めた後は、その石灰を使ってフレスコ画の制作体験を行いました。はじめに葛生伝承館の幅約23メートル、高さ約3メートルの巨大フレスコ壁画を見学し、その画家から制作秘話などを聞いた後は、落ち葉を使いスパッタリングという技法を用いてオリジナルのフレスコ画を作成しました。

10 道の駅どまんなかたぬま

 ツアーの最後に一行は「道の駅どまんなかたぬま」に立ち寄り、お土産品を購入しました。この道の駅は、北緯36度・東経139度に位置する田沼地区が日本列島の中心地に位置することから名づけられ、地元の名産品はもちろん、日本全国の名産品が揃う道の駅です。さのまるのフォトスポットもなどもあり、すっかりさのまるのファンになった外交団は、旅の最後にたくさん写真を撮ったり、お土産品を購入していました。

終わりに

 今回のツアーでは、佐野市の古今東西の魅力を、見て、聞いて、食べて、外交団の五感すべてで体感していただきました。参加者全員が本市への訪問は初めてということでしたが、観光地への訪問だけでなく、産業や伝統文化、スポーツなどの関係者とも意見交換を行い、参加者からは「佐野市の新たな魅力を発見することができた。今回の繋がりをきっかけに他分野での交流にも発展していければ」という御感想をいただきました。

プログラム・訪問先

11月18日(1日目)
佐野市国際クリケット場
外務省主催昼食会(於:大ぐり山荘)
若林鋳造所
第一酒造株式会社
佐野市観光物産会館
佐野市長主催歓迎夕食会(於:ホテル一乃館)
11月19日(2日目)
佐野ラーメン作り体験、佐野市主催昼食会(於:あきやま学寮)
吉澤石灰工業株式会社
フレスコ画制作体験(於:葛生化石館、葛生伝承館)
道の駅どまんなかたぬま
グローカル外交ネットへ戻る