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令和5年度駐日各国大使の地方視察(徳島県)
外務省儀典官室
令和5年10月30日及び31日、外務省は徳島県との共催で駐日各国大使の徳島県視察を実施しました。儀典官室では、1988年から、駐日各国大使に地方の歴史、文化、産業等の実情を直接見聞する機会を提供し、我が国に対する正確な認識を深めてもらうことを目的として、駐日各国大使の地方視察訪問事業を実施しています。
今回は12か国(ベネズエラ、モロッコ、レソト、エルサルバドル、アルメニア、ルーマニア、コソボ、ガーナ、フィンランド、シンガポール、アンゴラ、ノルウェー)の大使ら16名が参加、「徳島県の歴史と SDGs達成に向けた先進的な取組について」をテーマに、徳島県の歴史、文化、産業等の関連施設を訪問し、関係者らと意見交換等を行いました。
- <主な訪問先>
- 10月30日 大塚ホールディングス100周年記念施設、上勝町ゼロ・ウェイストセンター、株式会社いろどり
- 10月31日 大塚国際美術館、藍の館、神山まるごと高等専門学校、阿波おどり会館、道の駅くるくるなると
1 大塚ホールディングス100周年記念施設
大塚ホールディングスの企業紹介VTRや展示物を観覧しながら、その歴史や海外との関わりについて説明を受けました。各国大使からは、日本を代表するトータルヘルス企業のグローバルな取組についてより詳しく知ることができ、とても有意義であったとの声が聞かれました。
2 上勝町ゼロ・ウェイストセンター
葉っぱ(つまもの)ビジネスを展開する株式会社いろどりの横石社長から同社の活動に関する説明を受けました。地元に既にある物(葉っぱ)に目を向けビジネス展開をしていく発想、そして地元高齢者も生き生きと働いている様子を語る同社長の熱のこもったプレゼンテーションに、各国大使も感銘を受けた様子が見て取れました。その後、ゼロ・ウェイストセンターでのリサイクルの取り組みについて、実際のゴミ収集所(13種類45分別)の様子を見ながら、説明を受けました。
3 徳島県知事主催歓迎夕食会
徳島県知事主催歓迎夕食会では、後藤田正純知事の歓迎挨拶の他、阿波人形浄瑠璃の「三番叟」の公演も行われ、各国大使らは伝統芸能に親しみながら、地元食材をふんだんに用いた和食に舌鼓を打ちました。
4 大塚国際美術館
学芸員による説明とともに、代表的な展示作品を観覧しました。各国大使は、説明に聴き入りながら、それぞれが関心のある作品の前で立ち止まったり、写真撮影をされたりするなど、各々に楽しんでいる姿が印象的でした。
5 藍の館
2007年に天皇皇后両陛下(皇太子同妃両殿下(当時))が御訪問された藍の館において、各国大使は藍の歴史を学ぶとともに、藍染め体験を行いました。
6 神山まるごと高等専門学校
同校の地元の食材を使用した給食を賞味しながら、学生と交流を行いました(注:感染症対策のため急遽オンラインで実施)。同校は、全寮制で学費は全て奨学金でまかなわれており、起業家を育てることを目的とした非常にユニークな教育機関であることから、特に奨学金システムや学生の選考方法についての質問が大使から多くなされました。
7 阿波おどり会館
阿波おどり会館では、プロの踊りを堪能した後、大使らもステージにあがり、阿波おどりを体験しました。とても楽しそうに踊る大使らの姿が印象的でした。
なお、本視察は、徳島NHK及びJRT四国放送のニュースで放映された他、地元紙の新聞をはじめとする地元メディアでも複数報道されました。