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令和元年5月10日
 平成31年4月22日から23日まで,外務省と福岡県飯塚市との共催で,駐日外交団を対象とした地方視察ツアーを実施し,駐日外交団11か国より16名の大使,公使等が参加しました。
 このツアーでは,2020年の東京パラリンピックを見据え,飯塚国際車いすテニス大会を視察したほか,飯塚市の歴史,文化施設を訪問し,同地方への理解を深めました。

1 長崎街道内野宿

(写真1)江戸時代の面影を残す 長崎街道内野宿 江戸時代の面影を残す 長崎街道内野宿
 長崎街道は,江戸時代に鎖国下で唯一外国との交易が許された長崎と小倉をつなぐ街道であったため,大変重視され,その宿場町は非常に賑わいました。内野宿では,現在も当時の道幅や建物が残されており,外交団は脇本陣であった長崎屋を参観し,往時の様子に思いを馳せました。

2 嘉穂劇場

(写真2)嘉穂劇場 嘉穂劇場
 飯塚市は,かつては筑豊地方の炭鉱の町として栄えました。嘉穂劇場は,その炭鉱で働く労働者とその家族のための娯楽施設として,1922年に開場し,劇,歌舞伎,漫才などが上演され,今なお現役の芝居小屋,コンサート会場として使われています。
 入母屋造りの外観をはじめ,花道や桟敷席など大変立派な造りで,こうした昔ながらの木造の芝居小屋は,全国でも珍しい存在です。
 外交団は,忍者ショーを観覧するとともに,手裏剣投げにも挑戦しました。また,場面転換に使う「廻り舞台」を地下で皆で動かし,昔ながらの芝居小屋の機構を体験しました。

3 片峯飯塚市長表敬

(写真3)片峯飯塚市長表敬 片峯飯塚市長表敬
 外交団は,片峯飯塚市長を表敬訪問しました。片峯市長からは,外交団の訪問を歓迎するとともに,飯塚市特産品の製品化や国際化を通じた地方創生の取組について,説明がありました。これに際して,飯塚市の菓子や筑穂牛を使ったカレーなど,特産品が紹介されました。

4 飯塚高校

(写真4)飯塚高校製菓コースでの交流 飯塚高校製菓コースでの交流
 外交団が飯塚高校を訪問すると,愛宕幼稚園の子供たちや吹奏楽部の生徒から,熱烈な歓迎を受けました。
 製菓産業で有名な飯塚市にある飯塚高校では,製菓コースが設けられ,将来のパティシエや「スイーツ甲子園」への出場を目指して,生徒が日々お菓子作りの研鑽を積んでいます。
 外交団は,生徒による英語の説明に熱心に耳を傾けつつ,生徒がつくった「スイーツ甲子園」出品予定の作品を試食し,交流を深めました。

5 飯塚国際車いすテニス大会選手食事会

 夜には,飯塚国際車いすテニス大会選手食事会が開催されました。飯塚聖母幼稚園の園児による太鼓演奏や合唱によるもてなしのほか,選手インタビューでは,選手たちの本大会にかける熱い思いが語られました。

6 飯塚国際車いすテニス大会

(写真5)国際車いすテニス大会の試合 国際車いすテニス大会の試合
 飯塚国際車いすテニス大会は,アジア最高峰の車いすテニス大会として国内外のトップ選手を迎えて毎年開催され,今年で35回目を迎えます。昨年からは男女シングルス優勝者に天皇杯・皇后杯が下賜されています。また,この大会は,「イイヅカ方式」と呼ばれるボランティアによる運営が特徴的で,のべ2000名のボランティアによって運営されています。外交団は,試合を観戦し,その迫力を感じるとともに,ボランティアとして働く方々と交流し,大会に対する理解を深めました。

7 太宰府天満宮(太宰府市)

(写真6)太宰府天満宮視察 太宰府天満宮視察
 太宰府天満宮は,新元号「令和」の典拠となった「万葉集」の歌ゆかりの地として,最近新たに脚光を浴びています。
また,文化の神様・菅原道真公を祭神としていることから,同天満宮では近年アートプログラムを行っており,外交団は日本の伝統文化に触れつつ,境内の現代アート作品を楽しみました。

プログラム・訪問先

4月22日(月曜日)  
  • 長崎街道内野宿
  • 嘉穂劇場
  • 飯塚高校
  • 飯塚国際車いすテニス大会選手食事会
4月23日(火曜日)
  • 飯塚国際車いすテニス大会
  • 太宰府天満宮
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