グローカル外交ネット

令和4年3月22日
  1.  3月22日、外務省は、愛知県名古屋市及び山口県山口市との共催で、令和3年度「地方×世界 未来につなげる特別交流イベント」を八芳園(東京)において開催し、駐日外交団、在日商工会議所及び民間企業等の関係者65名が参加しました。
     冒頭、外務省を代表して石川官房長が開催の挨拶を行い、外務省は地方自治体等を重要なパートナーとして位置付け、オールジャパンで外交を展開しているとした上で、本イベントを名古屋市と山口市との共催で実施できることを嬉しく思う、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた頃には是非両市に足を運び、両市の魅力を直接堪能し、その魅力を本国にも伝えていただきたいと述べました。
    (写真1)山口市徳地手漉き和紙ブース(写真2)名古屋市和菓子ブース
    ブース展示の様子(左:山口市徳地手漉き和紙ブース、右:名古屋市和菓子ブース)
     その後、第一部では名古屋市及び山口市の関係者から両市の多様な魅力についてのプレゼンテーションが行われ、第二部の交流会では、ブース展示で両市の観光、地方産品、伝統工芸品などの紹介が行われました。本イベントに出席した林芳正外務大臣は、両市のブースを視察するとともに、駐日外交団を中心とした参加者に対し、両市の魅力を紹介し、国際交流の現状と展望について意見交換を行いました。
  2. 第一部 地方の魅力発信に係るプレゼンテーション
     名古屋市からは伊藤観光文化交流局参事が登壇し、名古屋城をはじめとした豊かな武士文化・歴史や盛んな自動車関連産業等により発展した経済の中心地の一つとしての魅力などをPRしました。「なごやめし」といわれる味噌料理、ういろう、漢方茶など武家文化と結びついた特徴的な食文化が紹介され、参加者の関心を集めました。また、2026年の第20回アジア競技大会の開催やその後のリニア中央新幹線の開業を控えた活力ある都市の姿も紹介されました。この他にも、世界各地の8つの都市と姉妹・友好都市関係にある活発な国際交流の展望やSDGsに配慮した取組など名古屋市の多様な魅力を紹介するプレゼンテーション内容でした。
     続いて、山口市からは伊藤市長が登壇し、多様な文化が集まり進化する山口の歴史・文化・人の魅力をPRしました。山口萩焼や大内塗りなど外国との交易を通じて発展を遂げてきた伝統工芸品と、その伝統を次の世代につなげるための取組が紹介されました。また、フランシスコ=ザビエルを縁として交流がはじまり、東京2020大会ではホストタウン相手国でもあったスペインとの間での長きにわたる交流やクリスマスを縁としたフィンランドとの交流が紹介され、世界とつながり発展を続ける山口市の姿が紹介されました。さらに、竹を使用したバンブーバイクの制作などSDGsに根ざした持続可能性を考慮した取組についても紹介されました。世界とつながりながら育まれた山口市の歴史と多様な文化の魅力を紹介するプレゼンテーション内容でした。
    (写真3)名古屋市のプレゼンテーションの様子(写真4)山口市のプレゼンテーションの様子
    第一部プレゼンテーションの様子(左:名古屋市、右:山口市)
  3. 第二部 交流会
     第二部の交流会は両市のステージパフォーマンスで始まりました。また会場内の両自治体が趣向を凝らしたブースでは、参加者一人ひとりが直接両市の魅力を体験しました。新型コロナウイルス感染症対策の観点から、ブースでの飲食の提供は行いませんでしたが、お土産品を用意することで、参加者の皆様が各自治体の魅力を自宅で堪能できるよう工夫しました。
     名古屋市のパフォーマンスには、甲冑を着て戦国武将に扮した「名古屋おもてなし武将隊」が登場し、槍などを使用した迫力ある立ち回りとダンスで会場の雰囲気を盛り上げました。ブースでは、ビジネス情報、中部国際空港、2026年の第20回アジア競技大会を紹介し、ブースを訪れる多くの参加者一人ひとりに対して、活力ある名古屋市の魅力をPRしました。また、名古屋の歴史や食、文化を紹介するブースにも多くの参加者が集まり、第一部のプレゼンテーションで紹介された、ういろう、「なごやめし」に欠かせない味噌だれ、漢方茶、和菓子、日本酒などのお土産品を受け取った参加者は自宅でその魅力を味わうのを楽しみにしている様子でした。
     山口市は、日本の伝統衣装である着物をリサイクルし、世界の国・地域からインスピレーションを得てリメイクしたドレスやスーツを紹介する着物ファッションショーを披露しました。華やかな衣装をまとったモデルが登場し、時を経て使われなくなった着物がグローバルな視点でアップサイクルされ、再び命を吹き込まれるサステイナブルな取組が多くの参加者の注目を集めました。また、バンブーバイクや伝統の徳地手漉き和紙の体験ブースを設置し、SDGsに根ざした取組を参加者にPRしました。さらに、伝統工芸品ブースでは、大内塗のお箸をお土産品として用意し、第一部のプレゼンテーションで紹介した「大内文化」の豊かさと繊細さを参加者が実際に手に取り感じてもらいました。加えて、お土産品である、ういろう、大内人形和三盆、瓦そば、日本酒などを紹介するブースには多くの参加者が集まり、豊かな自然に育まれた山口市の食文化をPRしていました。
    (写真5)名古屋おもてなし武将隊(写真6)山口市アップサイクル着物ファッションショー
    第二部ステージパフォーマンスの様子(左:名古屋おもてなし武将隊、右:山口市アップサイクル着物ファッションショー)
  4. 本イベントは、駐日外交団等の参加者が名古屋市及び山口市の多様な魅力について理解を深め、参加者と両市との新たなネットワーク構築につながる機会となりました。

[参考]本事業は今回が初開催となる。

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