グローカル外交ネット
駐日外交団の都内視察ツアー
(多様な東京の産業・中小企業の魅力ツアー)
令和元年12月6日,外務省と東京商工会議所との共催で,駐日外交団を対象とした中小企業の視察ツアーを実施し,駐日外交団15か国より15名の大使,公使等が参加しました。
このツアーでは,オリンピック・パラリンピックを控えた東京における,多様な中小企業の視察を通じて,社会の様々な課題を解決すべく,挑み続ける中小企業の経営や創意工夫(イノベーション)の努力,グローバル化時代を生き抜くための戦略,長期にわたる事業継続の秘訣や強靱性(レジリエンス)などについて,理解を深めました。
1 株式会社丸高工業
同社は,耐震補強工事・改修工事に特化し,企画,設計,施工までの全てを一貫して行っている企業です。日本の建設業界が直面している人手不足,熟練工育成の困難さ,土日夜間工事によるコスト上昇と工期長期化などの課題に対し,「作業の標準化」や工期短縮を図るための「消音・消塵化」に挑戦し,深刻な人手不足の克服に取り組んでいます。常に技術改良の努力を惜しまず,創意工夫に挑む姿に,外交団は深く感銘を受けるとともに,是非自国にも技術を取り入れたいと話していました。
2 株式会社ちんや
同社は,1880年創業,国内外の観光客で賑わう浅草において,すき焼きを提供している老舗料亭です。格付けや等級でなく,すき焼きに合った肉の提供に向けた挑戦を続けています。参加者の中で最初は肉が苦手,卵は不要と言っていた方も,「美味しい」と言いながら全部召し上がり,すき焼きという日本の食文化について学びながら,その味を堪能しました。
3 協栄産業株式会社
同社は,世界的な課題となっているペットボトルのリサイクルを手がけている会社です。ペットボトル飲料が爆発的に増加し,リサイクルが追いつかず,ゴミとしてあふれる懸念から,国内でリサイクルを完結させるとともに,将来にわたって資源を循環させるため,使用済のペットボトルを再び新しいペットボトルに戻す技術を開発し,確立させました。限りある資源の循環という世界共通の課題に対し,勇気とビジョンを持って取り組む姿に,外交団は深い関心を寄せていました。
4 株式会社若松
同社は,東京23区で唯一の日本酒醸造所です。東京都港区芝の22坪の自社ビルという限られた立地条件の下で,ミニ・ブリュワリーとして祖業である酒蔵を復活させ,事業化に成功,地域活性化にも挑み続けています。東京の水道水を使って,美味しい日本酒を造り,東京オリンピック・パラリンピックの機会を視野に入れ,東京の地酒を世界に発信しようと創意工夫を続ける姿に,外交団は興味深い関心を寄せていました。
プログラム・訪問先
12月6日(金曜日)
- 株式会社丸高工業
- 株式会社ちんや
- 協栄産業株式会社
- 株式会社若松