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第43回駐日外交団による地方視察ツアー(新潟県・長岡市・小千谷市)
外務省地方連携推進室
1 はじめに
令和4年11月5日及び6日、外務省と新潟県・長岡市・小千谷市は、駐日外交団を対象とした「新潟県視察ツアー」を実施し、21か国から36名の大使他(世界錦鯉サミットのみの参加国を含む)が参加しました。同ツアーは11月6日の「世界錦鯉サミット」の開催に合わせて実施したものですが、駐日外交団には、同サミットへの参加、「錦鯉発祥の地」である長岡市及び小千谷市における錦鯉関連施設の視察とともに、新潟が誇る花火や食文化など、新潟の多様な魅力を紹介しました。
2 道の駅ながおか花火館
駐日外交団が、最初の目的地「道の駅ながおか花火館」に到着すると、山古志小学校の児童による「闘牛太鼓」の披露、館長等による温かい歓迎がありました。また、同施設の屋外ではマルシェが開催されており、地元長岡産食材がPRされました。
駐日外交団は、施設内にある「長岡花火ミュージアム」を訪問し、館長から長岡花火の歴史や魅力の説明を受けながら、原寸大の花火玉や花火筒の展示などを視察しました。その後、毎年8月2日、3日に打ち上げられる長岡花火を体感できるドームシアターにおいて、長岡花火プログラム映像を鑑賞しました。駐日外交団は視察を通じて、長岡花火の魅力を大いに堪能した様子でした。
3 駐日外交団歓迎昼食会(於:ダイニングレストランHIGH AMBITION)
外務省と新潟県・長岡市との共催で、「道の駅ながおか花火館」内の「ダイニングレストランHIGH AMBITION」において、駐日外交団歓迎昼食会を行いました。
冒頭の磯田長岡市長による歓迎挨拶に続いて、菱山外務省地方連携推進室長が歓迎挨拶を行いました。にいがた和牛や南蛮えび、大口れんこんなど、長岡産食材を使った料理が提供されるとともに、レストラン内には地元の日本酒をPRするコーナーなども設けられました。本昼食会は、駐日外交団に地元長岡の食材を味わってもらい、長岡の食の魅力を知ってもらう非常に良い機会となりました。
4 新潟県錦鯉品評会(於:小千谷市総合体育館コミュニティプラザ)
小千谷市に移動した駐日外交団は、大塚小千谷市長及び小千谷市民による温かい歓迎・挨拶等を受けた後、「農林水産祭参加 第62回新潟県錦鯉品評会」を視察しました。同品評会は、「錦鯉発祥の地」であり、生産量日本一の新潟県の生産者が、丹精込めて育てた錦鯉の品質(色、形)を競う大会です。
駐日外交団は、農林水産大臣賞をはじめ、各賞を受賞した選りすぐりの錦鯉を中心に鑑賞するとともに、錦鯉生産者と活発な意見交換を行いました。駐日外交団は、生で見る錦鯉の彩りの豊かさ、形の美しさやその大きさに驚いた様子でした。同品評会の視察は、駐日外交団に新潟の錦鯉の魅力に関する理解を深めてもらう良いきっかけとなりました。
5 錦鯉の里

続いて、駐日外交団は、小千谷市にある、錦鯉の歴史を紹介し、展示する施設「錦鯉の里」を視察しました。大塚小千谷市長からの挨拶、集合写真撮影の後、同施設の日本庭園において、錦鯉の放流式が行われました。このときの錦鯉は、世界錦鯉サミットへの参加を記念して小千谷市錦鯉漁業協同組合から今回のツアー参加国の大使館へ寄贈されたものです。
駐日外交団は1か国ずつ、日本庭園の池に錦鯉を放流した後、錦鯉の歴史などの説明を受けるとともに、錦鯉への餌やり等を体験しました。駐日外交団は、こうした経験を通じて、錦鯉の魅力を大いに感じている様子でした。
6 棚田棚池・やまこし復興交流館「おらたる」

駐日外交団は、長岡市の山古志地域へ移動し、やまこし復興交流館「おらたる」(注)を視察しました。この施設は、中山間地域の再生拠点として、新潟県中越地震(2004年10月23日)での体験や、復興に向けて積み重ねてきた経験を後世へ伝えるとともに、山古志地域の魅力を国内外に発信する交流施設です。駐日外交団は、NPO中越防災フロンティアの田中理事長による説明を受けた後、新潟県中越地震からの復興に関する動画を視聴しました。
その後、施設中庭から日本農業遺産に認定された棚田棚池の風景と本ツアーのために特別に打ち上げられた長岡花火を鑑賞しました。駐日外交団は、黄昏時の幻想的な景色と迫力のある長岡花火に終始感動した様子でした。花火鑑賞後、駐日外交団からは、毎年8月2日、3日に開催される長岡まつり大花火大会を見てみたくなったという感想も聞かれ、大変好評でした。
(注):「おらたる」とは、山古志地域の方言で「わたしたちの場所」という意味。
7 駐日外交団歓迎レセプション(於:朱鷺メッセ)
1日目の夜は、新潟市内のコンベンション施設「朱鷺メッセ」内にあるホールで新潟県・長岡市・小千谷市共催の駐日外交団歓迎レセプションが催され、駐日外交団は、世界錦鯉サミット関係者との交流を深めました。長岡市の悠久太鼓の披露、花角新潟県知事による挨拶等を受け、カデロ駐日サンマリノ大使が参加駐日外交団を代表して挨拶を行いました。本レセプションでは、新潟県産の野菜、魚介類を使用した料理や新潟県産の米粉を使用したパンなどが振る舞われました。小千谷市の伝統芸能「太太神楽(だいだいかぐら)」も披露され、会場は大いに盛り上がりました。駐日外交団は、このレセプションを通じて、新潟県の関係者と交流し、今後の交流拡大の可能性等について意見交換を行いました。
8 クールジャパンEXPO in NIIGATA(於:朱鷺メッセ)
2日目は、朱鷺メッセ内の展示場で開催中の「クールジャパンEXPO in NIIGATA」を視察しました。錦鯉や日本酒をはじめ、文化、食、酒、漫画アニメ、伝統工芸品など、新潟県が有するクールジャパンコンテンツを視察し、各ブース出展者と活発な意見交換を行いました。駐日外交団は、この視察を通じて新潟県の多様な魅力を堪能した様子でした。
9 世界錦鯉サミット(於:朱鷺メッセ国際会議場)

(写真提供:世界錦鯉サミット実行委員会)
続いて、駐日外交団は、朱鷺メッセ国際会議場において、世界錦鯉サミット実行委員会(新潟県、長岡市、小千谷市、一般社団法人全日本錦鯉振興会)主催で開催された世界錦鯉サミットの第一部に参加しました。世界錦鯉サミット実行委員会会長の花角新潟県知事からの開会挨拶の後、東京大学東洋文化研究所の菅教授による「泳ぐ宝石『錦鯉』-その誕生の歴史と魅力について」と題した基調講演、「錦鯉を通じた経済・文化の交流について」のパネルディスカッションが行われました。第一部の最後には、花角新潟県知事によって「錦鯉の振興に関する新潟宣言」が読み上げられ、会場は盛大な拍手に包まれました。
駐日外交団は、前日の錦鯉関連施設の視察と本サミットへの参加を通じて、錦鯉の魅力、歴史及び今後の展望について理解を深めることができた様子でした。
10 新潟県PRランチセミナー(於:ホテル日航新潟)
新潟県視察ツアー最後のプログラムとして、新潟市内のホテル日航新潟において、「新潟県PRランチセミナー」が行われました。駐日外交団は、新潟県醸造試験場の青木専門研究員による「新潟清酒の特徴について」のプレゼンテーション及び新潟大学日本酒学センターの平田副センター長による「日本酒学の成り立ちと日本酒学センターについて」のプレゼンテーションに興味深く耳を傾けていました。
このランチセミナーでは、新潟県産の食材を使用した料理、新潟の日本酒3種類が振る舞われました。駐日外交団に新潟の日本酒を堪能してもらうことを通じて、新潟の食の魅力がPRされました。
11 おわりに
新潟県視察ツアーは、駐日外交団に新潟の錦鯉の魅力について理解を深めてもらうとともに、食、日本酒、花火など、新潟県の多様な魅力を直接体験してもらう非常に良い機会となりました。
今回の駐日外交団の訪問を機に、新潟県の魅力がさらに世界へ広がるとともに、各国と新潟の交流が継続、拡大していくことが期待されます。
プログラム・訪問先
- 11月5日(土曜日)
- 道の駅ながおか花火館
- 駐日外交団歓迎昼食会(於:ダイニングレストランHIGH AMBITION)
- 新潟県錦鯉品評会(於:小千谷市総合体育館コミュニティプラザ)
- 錦鯉の里
- 棚田棚池・やまこし復興交流館「おらたる」
- 駐日外交団歓迎レセプション(於:朱鷺メッセ)
- 11月6日(日曜日)
- クールジャパンEXPO in NIIGATA(於:朱鷺メッセ)
- 世界錦鯉サミット(於:朱鷺メッセ国際会議場)
- 新潟県PRランチセミナー(於:ホテル日航新潟)