サウジアラビア王国
日・サウジアラビア首脳テレビ会談
令和6年5月21日


5月21日、午後6時45分から約35分間、岸田文雄内閣総理大臣は、ムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード・サウジアラビア王国皇太子兼首相(H.R.H. Prince Mohammed bin Salman bin Abdulaziz Al-Saud, Crown Prince and Prime Minister of the Kingdom of Saudi Arabia)と首脳テレビ会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 冒頭
- ムハンマド皇太子は、訪日が直前で延期せざるを得なくなったことへの日本側の理解に深く感謝する、日本との協力を一層強化することを希望しており、早期に訪日が実現するよう調整していきたい旨述べました。
- 岸田総理大臣から、サルマン国王陛下の早期の御回復を心から祈念している、明年の両国の国交樹立70周年も見据え、サウジアラビアとの間の戦略的パートナーシップを更に強化し、中東地域及び国際社会の平和と安定のために一層緊密に連携していきたい旨述べました。
- 両首脳は、両首脳を議長として包括的な二国間関係の強化を図る「戦略的パートナーシップ協議会」の設置で一致しました。
2 エネルギー安全保障・クリーンエネルギー
- 岸田総理大臣から、長年に亘る原油の安定供給への謝意を述べるとともに、更なる増産を含め、世界の原油市場の安定化を主導する役割を引き続き期待している旨述べました。また、昨年7月に両国間で一致した「ライトハウス・イニシアティブ」の下で、日本の技術を活用しつつ、水素・アンモニア等のクリーンエネルギーのグローバルなサプライチェーンの構築において協力し、また鉱物資源分野の協力も進めたい旨述べました。
- ムハンマド皇太子から、サウジアラビアは、引き続き日本への原油の安定供給にコミットする旨述べつつ、クリーンエネルギー分野を含むその他の分野でも、協力していきたい旨発言がありました。
3 経済多角化・強靭化
- 岸田総理大臣から、幅広い分野で対日投資を期待するともに、建設、送電、水素利用、デジタル、ICT、宇宙、保健、医療、食品、農業等の各分野での協力が、ビジネス機会の創出に繋がることへの期待を表明しました。また、近く再開される予定の日・GCC自由貿易協定(FTA)交渉の早期妥結に向けて連携したい旨述べました。
- ムハンマド皇太子からは、サウジアラビアが高い経済成長を続けていることについて紹介があり、日・GCC・FTA交渉の再開を歓迎するとともに、エネルギー以外の様々な分野でも日本との協力を歓迎する旨述べました。
4 地域・国際の平和と安定のための戦略的協力強化
両首脳は、地域情勢等についても意見交換を行いました。中東情勢については、岸田総理大臣からガザ情勢に関する日本の外交努力や貢献について述べたのに対し、ムハンマド皇太子から、中東地域の平和と安定に向けた外交努力において、日本と引き続き緊密に連携していきたい旨述べました。
5 ソフトパワー交流
- 岸田総理大臣から、2025年大阪・関西万博から2030年にサウジアラビアに万博のバトンを渡せることを嬉しく思う、エンターテイメント、観光、学術、プロサッカー等分野でも活発化しつつある交流を一層後押ししたいと述べました。
- ムハンマド皇太子からは、文化的な分野でも日本は非常に卓越した国であり、この分野においても協力を強化していきたい旨発言がありました。