サウジアラビア王国
第1回日・サウジアラビア外相級戦略対話の開催
令和5年9月7日



現地時間9月7日午前11時10分頃(日本時間同日午後5時10分頃)から約50分間、サウジアラビア王国を訪問中の林芳正外務大臣は、ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア王国外務大臣(H.H. Prince Faisal bin Farhan Al-Saud, Minister of Foreign Affairs, Kingdom of Saudi Arabia)との間で、第1回日・サウジアラビア外相級戦略対話を開催したところ、概要は以下のとおりです。
なお、本戦略対話は、本年7月に岸田文雄内閣総理大臣がサウジアラビアを訪問した際に、ムハンマド・ビン・サルマン・サウジアラビア王国皇太子兼首相(H.R.H. Prince Mohammed bin Salman bin Abdulaziz Al-Saud, Crown Prince and Prime Minister of the Kingdom of Saudi Arabia)との間で設立することで一致したものです。
1 署名式
会合に先立ち、両大臣は、外相級戦略対話の設置に関する覚書の署名・交換を行いました。
2 冒頭
林大臣から、日本はサウジアラビアとの戦略的パートナーシップを重視しており、外相級戦略対話を二国間関係の司令塔として、既存の枠組みも活用しつつ、幅広い分野で二国間協力及び国際場裡における協力を強化していきたい旨述べました。これに対し、ファイサル大臣から、日本との二国間関係を一層強化していきたく、様々な枠組みを積極的に活用していきたい旨述べました。
3 二国間関係
- 林大臣から、中長期的な国際情勢の見通しや共通の諸課題について戦略的・分野横断的な視点から自由な意見交換を行うことを目的に、事務レベルの政策企画協議を実施することを提案し、ファイサル大臣の賛同を得ました。
- 林大臣から、今般、一定の経済的要件を満たすサウジアラビア国民に対し、数次査証の発給を緩和する措置の導入を決定したことを伝え、ファイサル大臣はこれを歓迎しました。
- 両大臣は、中東をクリーンエネルギーや重要鉱物のグローバルな供給ハブとするビジョンの実現に向けて、具体的な協力事業が実施されることへの期待を表明しました。
- 林大臣から、ALPS処理水の海洋放出に関し、IAEAの包括報告書における評価にも言及しつつ日本の立場を説明しました。これに対し、ファイサル大臣から、日本の取組を完全に信頼している旨述べました。
4 地域・国際情勢
- 林大臣から、インド太平洋を含む国際社会の平和と安定に関する諸課題への対応において、世界を分断や対立ではなく、協調に導く必要がある旨強調し、法の支配や国際協調の重要性を共有するサウジアラビアと緊密に連携していきたい旨述べました。ファイサル大臣から、日本との連携を歓迎する旨述べました。
- 両外相は、中東情勢、東アジア情勢及びウクライナ情勢に関する様々な課題についても率直な意見交換を行い、同地域の平和と安定に向けて、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。また、ファイサル大臣から、北朝鮮に関する日本の立場への支持が表明されました。