中東
第1回日・GCC外相会合及びワーキング・ランチの開催
令和5年9月7日



現地時間9月7日午後1時30分(日本時間同日午後7時30分)から約2時間10分間、サウジアラビア王国の首都リヤドにて第1回日・GCC外相会合及びワーキング・ランチが開催され、林芳正外務大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。
- 開会挨拶
- 冒頭、本年の湾岸協力理事会(GCC)議長国を務めるオマーン国のバドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ外務大臣(H.E. Sayyid Badr bin Hamad Al Busaidi, Minister of Foreign Affairs of the Sultanate of Oman)から、GCCを代表して、本会合への林大臣の出席を歓迎する、GCCは日本との協力をあらゆる分野で強化していく用意があり、そのための意見交換を行いたい旨発言がありました。
- これに続き、林大臣から、国際場裡における政治・経済を始めとする様々な分野で、GCC各国の役割がますます重要となる中、日本として世界や地域が直面する様々な課題に取り組んでいく上で、GCCとの連携を重視しており、GCCの皆様と法の支配に基づく国際秩序を守り抜く強い決意を国際社会に示したい旨発言しました。さらに、林大臣から、GCCと日本の相互の強みを組み合わせることで、双方が大きな利益が得られる潜在性があり、連携を強化していきたい旨述べました。
- 日・GCCパートナーシップ
- GCC各国閣僚から、日・GCC外相会合の定例化及び「日・GCC行動計画2024-2028」の策定を歓迎するとともに、同行動計画を指針として、幅広い分野で日・GCC間の協力を進めていきたいとの期待が表明されました。
- 林大臣から、GCC各国が引き続き世界の原油市場の安定化を主導する役割を果たすことへの期待を表明し、GCC各国が産業多角化、脱炭素化、スマート社会の実現に向けて国家的な取組を加速させる中、日本としてもこうした社会経済改革を全面的に支援していきたい旨述べました。
- 林大臣から、本年7月の岸田総理大臣によるサウジアラビア訪問の際に、日・GCC・FTA交渉を2024年中に再開することで日・GCC双方が一致したことを重要な成果の一つと指摘しつつ、このモメンタムを捉えて建設的な議論が行われることへの期待を表明しました。
- 林大臣から、ALPS処理水の海洋放出に関し、IAEAの包括報告書における評価にも言及しつつ日本の立場を説明しました。これに対し、各国閣僚から、日本が国際的な基準を遵守して実施していくことを完全に信頼している旨述べました。
- 地域・国際情勢
- 各国閣僚は、中東地域情勢、ウクライナ情勢及び東アジア情勢について、率直な意見交換を行いました。
- GCC各国閣僚から、現下の中東情勢の現状認識及び諸懸案の解決に向けて対話を中心とした平和的な取組を進めていることが紹介され、同地域の安定化に向けて日本が一層積極的な役割を果たすこと、また、日本との連携を強化していくことへの期待が表明されました。
- 林大臣から、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」は、世界を分断や対立ではなく協調に導くビジョンであることを説明した上で、力による現状変更を許してはならないとのメッセージを国際社会が発していくことの重要性を強調し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けてGCC各国とも連携していきたい旨表明しました。
- 閉会
林大臣から、本会合でGCC各国閣僚及びGCC事務総長に温かい歓迎を頂いたことに改めて謝意を述べ、今後、行動計画に沿って、各分野で日・GCC間の協力を進展させるとともに、地域・国際情勢について、日・GCC間で一層緊密に連携していくことで一致しました。