イラン・イスラム共和国

平成27年9月28日
写真提供:内閣広報室
写真提供:内閣広報室
9月28日午前0時40分(9月27日午前11時40分,現地時間)から約30分間、安倍晋三内閣総理大臣は、国連本部内にて、ローハニ・イラン・イスラム共和国大統領(H. E. Dr. Hasan ROUHANI, President, Islamic Republic of Iran)と日・イラン首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。

1 冒頭、安倍総理大臣からは、9月24日に起きたサウジアラビアのマッカでの事故において、多くのイランの方々も亡くなったことに対して弔意を表した。その上で、安倍総理は、再会を嬉しく思う、核問題の最終合意を歓迎するとともに同大統領のリーダーシップに敬意を表する、また、二国間のハイレベルの活発な交流を歓迎する、共に両国関係をより一層強化したい旨述べた。これに対し、ローハニ大統領から、マッカでの事故に対する弔意に謝意が表されたほか、安倍総理大臣との4度目の会談に感謝するとの発言があった。

2 イランの核問題について、ローハニ大統領から、今般核問題について最終合意に至ったので今後様々な協力を是非拡大をしていきたい旨の発言があった。これに対し、安倍総理からは、まず核問題についての最終合意の着実な履行が重要であり、IAEAとの協力を期待している、日本としても履行プロセスにおいて積極的な役割を果たしていきたい旨述べた。

3 二国間関係に関し、ローハニ大統領から、過去においてはエネルギー分野の協力があったが、新たな分野として運輸・交通、環境、文化、学術、学生交流、更には医薬品・医療機器といった分野における協力を拡大していきたい、そうした協力拡大に当たり、決済面で日本の銀行にも協力して頂きたい旨との発言があった。
これを受け、安倍総理からは、環境や医療等の分野の協力の更なる協力の拡大や、経済関係の飛躍的な拡大に力を注いでいきたいと応じた。特に、経済関係については、安倍総理大臣は、薗浦外務大臣政務官が9月にイランを訪問し、日本企業の活動を保護する環境整備のための協議や投資協定の交渉について確認がなされたことを歓迎しつつ、オールジャパンで日本企業の進出を図り、イランの発展に貢献していきたいと述べた。また、安倍総理は、文化面や知的交流、学生交流の面でも協力を拡大していきたく、今後様々なレベルにおいてこうした協力関係に対する議論を重ねていきたい、二国間の銀行による協力については、制裁解除が進めば問題がなくなっていくだろう、銀行には基本的に様々なことに慎重な傾向があるが、イランとの関係が変化しているということを政府としてもしっかり発信をしていきたい旨述べた。

4 安倍総理大臣とローハニ大統領は、地域情勢に関しても意見交換を行った。安倍総理からは、中東の安全保障環境は依然として厳しいが、そうした中において地域大国であるイランが果たす役割は大変大きいとの考えを伝えた。

5 また、会談の中で、安倍総理大臣から、諸般の事情が整えば、適切な時期にイランを訪問したい旨述べたところ、ローハニ大統領から是非歓迎したいとの発言があった。

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