イラク共和国

平成29年1月24日
23日,午後12時00分から約1時間30分,滝沢求外務大臣政務官は,第7回知見共有セミナーで訪日中のシルワーン・アブドッラー・イスマーイール・イラク国民議会議員兼教育委員会委員長を含む7名のイラク国会議員との間でワーキング・ランチ形式の会談を行いました。概要は以下のとおりです。

なお,知見共有セミナーは,独立行政法人国際協力機構(JICA)による研修事業の一環として実施されているもので,イラクの異なる宗派に所属する国民議会議員を招聘し,イラク国内での和解及び復興促進の一助とすべく,日本の戦後復興の歴史や民主主義に関するセミナーの受講や広島等の地方訪問を通じて,日本の民主化,平和,復興の経験等を共有することを目的としています。

1 日・イラク関係(教育分野)

滝沢政務官から,教育は政治,経済等,社会の全ての分野における基礎となり,イラクにとって重要課題である民主化,国民融和,テロ対策においても重要な役割を担うものである,我が国では,質の高い教育の普及が近代化,戦後の経済成長,各種課題の克服を支えてきたこともあり,今次訪問がイラクの国造りの一助となることを期待する旨述べました。

これに対し,シルワーン議員側は,テロとの戦いに直面しているイラクは,幅広い地域で教育レベルの低下という深刻な問題を抱えており,国際社会からの人道支援に加え,教育分野への支援が急務となっている,こうした困難な状況下でも,充実した教育機会を確保すべく,今次訪問を通じて日本の教育制度について深く学び,イラクの復興に役立てていきたい旨述べました。

2 対イラク支援

滝沢政務官から,現在イラク国内で大量の避難民が発生している状況に鑑み,対イラク人道・社会安定化支援を継続する方針を説明するとともに,学校補修や職業訓練等の教育分野の支援も併せて行っていく旨を伝達しました。これを受けて,イラク側から,2003年以降の円借款を通じた各種復興支援や国際機関を通じての人道・安定化支援で多くのイラク国民が裨益しており,改めて日本からの寛大な支援に感謝したい旨発言がありました。

3 国民融和

滝沢政務官から,貴国の安定のためには国民融和の進展が重要であり,貴国において,宗派・民族の違いを超えて包括的な形で,対話・協力が進むことを期待する旨述べました。これを受けて,イラク側から,国民融和の重要性に同意する,今般の訪問団に代表されるように,多様な民族・宗派等から構成される人々が協働して国作りに参画することが重要であり,過激な民族主義やテロリズムを煽るような論調に若者が耳を傾けないよう,教育委員会として,今般得られる日本の経験や知見を最大限活かしていきたい旨の発言がありました。

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