アフガニスタン・イスラム共和国
東京会合フォローアップのための高級実務者会合(SOM)
平成27年9月16日
9月5日(土曜日),カブールにおいて東京会合フォローアップのための高級実務者会合(SOM)が開催されたところ,概要以下のとおり。
1 総論
(1)今次会合は,2012年7月に東京で開催された「アフガニスタンに関する東京会合」で創設された「相互責任に関する東京フレームワーク(TMAF)」における相互責任の原則に基づき,東京会合で開始されたパートナーシップをフォローアップするためのハイレベル会合として開催されたもの。日本からは,髙橋博史駐アフガニスタン大使が日本代表団長として出席した。(ハキミ・アフガニスタン財務相及びヘイソム・アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)事務総長特別代表が共同議長。41か国,11国際機関等が出席。)
(2)今次会合では,昨年9月末に発足した国家統一政府(NUG)の優先事項に即して「相互責任に関する東京フレームワーク(TMAF)」を更新し,「相互責任を通じた自立のための枠組み(Self-Reliance through Mutual Accountability Framework: SMAF)」が新たに策定された。SMAFは,アフガニスタン政府と国際社会がアフガニスタンの自立に向けての改革と支援において相互に責任を果たす「相互責任」の理念をTMAFから引き継いでいる。
(3)今次会合で,ガーニ・アフガニスタン大統領は,NUG発足以降TMAFに沿って行ってきたアフガニスタン政府の改革努力の成果を強調するとともに,2016年の閣僚級会合に向け,持続可能な経済発展,財政改革,汚職撲滅,人権の促進(特に女性及び子供)及び(タリバーンとの)和解交渉の進展を遂げる意欲を示した。
(4)議長声明において,2016年のEUとアフガニスタンの共催による閣僚級会合に対して期待が表明された。
(2)今次会合では,昨年9月末に発足した国家統一政府(NUG)の優先事項に即して「相互責任に関する東京フレームワーク(TMAF)」を更新し,「相互責任を通じた自立のための枠組み(Self-Reliance through Mutual Accountability Framework: SMAF)」が新たに策定された。SMAFは,アフガニスタン政府と国際社会がアフガニスタンの自立に向けての改革と支援において相互に責任を果たす「相互責任」の理念をTMAFから引き継いでいる。
(3)今次会合で,ガーニ・アフガニスタン大統領は,NUG発足以降TMAFに沿って行ってきたアフガニスタン政府の改革努力の成果を強調するとともに,2016年の閣僚級会合に向け,持続可能な経済発展,財政改革,汚職撲滅,人権の促進(特に女性及び子供)及び(タリバーンとの)和解交渉の進展を遂げる意欲を示した。
(4)議長声明において,2016年のEUとアフガニスタンの共催による閣僚級会合に対して期待が表明された。
2 髙橋駐アフガニスタン大使によるステートメント
今次会合において日本からは,髙橋駐アフガニスタン大使がステートメントを発表し,TMAFがSMAFへ更新されることを歓迎すると表明した。また,アフガニスタン政府がSMAFに基づく改革コミットメントの履行を通して自立を実現できるよう,日本は,農業,インフラ及び人材の開発を重視して,協力を続けていくとの姿勢を示した。
(参考)「相互責任を通じた自立のための枠組み(SMAF)」のポイント
1 SMAFは,少なくともアフガニスタンの現政権の任期末まで,アフガニスタン政権及び国際社会にとっての指針になる。以下の6分野において,アフガニスタン政府と国際社会が目指す目標を策定。
分野1 治安面の改善と政治的安定
→目標:治安部門における効果的な統治及び公正,透明で包摂的な選挙に向けた選挙改革。
分野2 汚職対策,ガバナンス,法の支配及び人権
→目標:非合法な経済活動を含む汚職の根本的原因に対処し,法の支配と人権の確保(特に女性・子ども)に焦点を当てたガバナンス改善。
分野3 財政持続性の回復及び公共財政と民間銀行の規範
→目標:公共財政と民間銀行の規範に焦点を当て,歳入増加により財政持続性を回復させる。
分野4 開発計画と開発マネジメントの改革及び開発における市民の権利を確保
→目標:不可欠なサービスと(開発の)成果を市民に提供するために開発計画の立案及びその実施体制を改善し,開発における市民の権利の確保を目指す。
分野5 民間セクター開発及び包摂的な成長と開発
→目標:民間セクター開発及び投資を促進する環境を作り,包括的な成長と開発に向け,農業,採掘産業及びサービス産業といった生産性の高い部門を活性化させる。
分野6 開発パートナーシップと援助効率性
→目標:開発,経済成長及び貧困削減に向け,アフガニスタン政府と国際社会との間の開発パートナーシップを更新し,強化する。アフガニスタンは国際社会からの相当額の財政支援を引き続き必要としており,開発援助効果の改善は「変革の10年」において重要である。政府の改革課題を進める上で重要なのは,予算を政策実施の主要な手段にすることであり,この目標を達成するため,ドナーは財政支援においては,国家優先課題へ沿う形で柔軟性を持って,臨機応変に対応することに努める。アフガニスタン政府とドナーは,現在の援助システムが国家優先課題に適応せねばならないことに同意する。加えて,オフ・バジェット(予算外)で実施される支援は,適切な説明責任及び,アフガニスタン政府とその他の関係者の有意義な参加を確保する監視メカニズムを伴う形で,政府の優先課題に沿うものとするべきである。
2 上記6分野の目標達成を計る指標をSMAFにおいて示すとともに,アフガニスタン政府と国際社会が2016年末までに達成すべき短期指標をSMAF別添に列挙。
3 東京フレームワークに基づいたモニタリング・メカニズム((1)共同調整モニタリングボード,(2)2年毎に開催されるSOM,(3)次回は2016年に開催され,以降2年毎に開催される閣僚級会合)を継承して,SMAFのモニタリングを行う。
分野1 治安面の改善と政治的安定
→目標:治安部門における効果的な統治及び公正,透明で包摂的な選挙に向けた選挙改革。
分野2 汚職対策,ガバナンス,法の支配及び人権
→目標:非合法な経済活動を含む汚職の根本的原因に対処し,法の支配と人権の確保(特に女性・子ども)に焦点を当てたガバナンス改善。
分野3 財政持続性の回復及び公共財政と民間銀行の規範
→目標:公共財政と民間銀行の規範に焦点を当て,歳入増加により財政持続性を回復させる。
分野4 開発計画と開発マネジメントの改革及び開発における市民の権利を確保
→目標:不可欠なサービスと(開発の)成果を市民に提供するために開発計画の立案及びその実施体制を改善し,開発における市民の権利の確保を目指す。
分野5 民間セクター開発及び包摂的な成長と開発
→目標:民間セクター開発及び投資を促進する環境を作り,包括的な成長と開発に向け,農業,採掘産業及びサービス産業といった生産性の高い部門を活性化させる。
分野6 開発パートナーシップと援助効率性
→目標:開発,経済成長及び貧困削減に向け,アフガニスタン政府と国際社会との間の開発パートナーシップを更新し,強化する。アフガニスタンは国際社会からの相当額の財政支援を引き続き必要としており,開発援助効果の改善は「変革の10年」において重要である。政府の改革課題を進める上で重要なのは,予算を政策実施の主要な手段にすることであり,この目標を達成するため,ドナーは財政支援においては,国家優先課題へ沿う形で柔軟性を持って,臨機応変に対応することに努める。アフガニスタン政府とドナーは,現在の援助システムが国家優先課題に適応せねばならないことに同意する。加えて,オフ・バジェット(予算外)で実施される支援は,適切な説明責任及び,アフガニスタン政府とその他の関係者の有意義な参加を確保する監視メカニズムを伴う形で,政府の優先課題に沿うものとするべきである。
2 上記6分野の目標達成を計る指標をSMAFにおいて示すとともに,アフガニスタン政府と国際社会が2016年末までに達成すべき短期指標をSMAF別添に列挙。
3 東京フレームワークに基づいたモニタリング・メカニズム((1)共同調整モニタリングボード,(2)2年毎に開催されるSOM,(3)次回は2016年に開催され,以降2年毎に開催される閣僚級会合)を継承して,SMAFのモニタリングを行う。