チュニジア共和国

平成26年10月27日
我が国選挙監視団の活動
グイア外務国務長官との会談

 本年1月の新憲法制定後に初めて行われたチュニジア議会選挙に関し,選挙監視団の活動概要及び評価は以下のとおり。

1 我が国選挙監視団の活動及び監視地域

 10月26日,中根一幸外務大臣政務官を団長とする日本の選挙監視団は,チュニス市内のマルセイユ小学校,バルドー地区のハビブ・ブルギバ通り小学校及びカルタゴ地区のサランボー小学校の3ヵ所の投票所の監視を行った。監視団は,投票事務手続,選挙妨害の有無,国内監視員の状況等を中心に監視活動を実施した。
 本件監視活動は,外務省及び在チュニジア日本国大使館職員のほか,独立行政法人国際協力機構(JICA)職員及びチュニジアを含むマグレブ地域研究を専門とする有識者の参加を得て行った。

2 評価

(1)我が国の選挙監視活動を通じて,投票についての妨害は確認されず,投票事務手続きは円滑に実施されていた。2011年の制憲議会選挙の際にみられた若干の問題点も改善されていた。(例:前回選挙では,投票所の混雑のため有権者が数時間列に並ばざるを得なかったが,今回は投票所の数を増やし,一投票所あたりの投票者数を減らすといった工夫がなされていた。)

(2)早朝から非常に多くの人々が投票所を訪れており,有権者の選挙に対する意識の高さが感じられた。また,透明かつ公正な選挙を実施すべく,国外からの監視団のほかに,チュニジアの各政党から派遣された監視員も監視活動に参加し,チュニジア人自らの手で,議会選挙を成功に導こうとする強い意気込みが感じられた。

(3)監視活動を行った投票所の責任者によれば,軍や警察との連携も緊密にとられているとのことであり,投票活動全体は平穏裡に整然と行われていた。

3 チュニジア政府要人との会談

 10月25日,中根政務官は,グイア外務国務長官と会談した。チュニジアからは,日本からの選挙監視団の派遣への謝意と高い評価が表明された。中根政務官からは,今回の選挙にかかる支援や先般のサムライ債の起債にかかる支援を通じて,チュニジアの改革が促進され,国内が一層安定することへの期待を述べた。

【参考】今次選挙の概要
 総議席数217議席,総選挙区数33区(うち,国内27区,国外6区)で,候補者リストへの投票による比例代表制。国内27選挙区において1,327の候補者リストが提出され,報道によれば約1万名の立候補者が同リストに記載された。独立高等選挙機構(ISIE)によれば,とりあえずの開票結果は10月30日迄に発表され,その後,開票結果に対する異議申し立てを経て,最終結果の発表は11月24日迄に行われる予定。

 

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