中東
シリア政治プロセス閣僚会合
平成26年9月24日


1 24日午後,岸田文雄外務大臣は,訪問中のニューヨークにおいて,シリア政治プロセス閣僚会合に出席した。会合には,日本のほか,英,米,仏,独,トルコ及びサウジアラビア(以上,共催国),「シリア国民連合」,欧州諸国やアラブ諸国を始めとする「シリア・フレンズ」のメンバー国の外相等が出席した。
2 岸田大臣から,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の存在は国際秩序を揺るがしかねない深刻な脅威であり,日本は国際社会のISILに対する闘いを支持するとともに,各国がそれぞれの強みを生かした取組を集結させることが不可欠である旨述べた。同時に,シリア情勢の安定化には,「ジュネーブ・コミュニケ」を通じた政治的解決が基本であり,対話を実現する環境を醸成すべく,各国が「シリア国民連合」の取組をそれぞれが可能な形で支援していくことが重要である旨強調した。その上で,引き続きシリア及び周辺国への人道支援は必要であるとして,岸田大臣から,最大のシリア難民受け入れ国であるレバノンのシリア難民等への支援,及びシリアの中で国際社会の支援が届きにくい地域への支援としての総額約550万ドルの新規支援を表明した。
3 各国からは,シリアについては政治的解決が重要であり,そのためにはISILのような過激主義の台頭を許してはならず,他方,穏健な反体制派を強化していくことが重要であること,そのために国際社会が協力して取り組むべきであること等の指摘がなされ,引き続き,「シリア国民連合」を支援していくことを確認した。