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平成28年12月13日
11月29日-12月2日の4日間,中東地域及びアフリカ地域駐箚の大使及び関係国際機関大使等の参加の下開催された,平成28年度中東アフリカ大使会議の概要は以下のとおり。

1 総論

  • 我が国の積極的平和主義の実践や経済外交の強化等の観点から,中東・アフリカ地域の重要性が高まっているとの認識の下,安倍総理や岸田大臣から,中東地域の安定化や経済的果実の確保,また,官民一体となった対アフリカ外交の一層の推進,特に第6回アフリカ開発会議(TICADVI)のフォローアップ等に向けた訓示が述べられた。
  • 外務省幹部から各国大使に対して,東アジア情勢,安保理改革,ODA等,我が国外交の主要課題について説明し,国際場裡における中東・アフリカ地域との更なる協力を図ることが確認された。
  • 各国大使は,中東・アフリカ地域の潜在的な成長力を日本経済に取り込むため,これら地域と我が国との経済関係を一層促進するとの観点から,企業関係者等と積極的な意見交換を行った。また,中東調査会,アフリカ協会及びアフリカ開発協会等によるレセプションにおいても,各大使は企業関係者等と意見交換を行った。さらに,企業向けに大使による治安情勢ブリーフィングを実施した。

2 議論の概要

(1)中東・北アフリカ地域駐箚大使

中東・北アフリカ地域におけるパワーバランスの動向を踏まえ,地域の現状と課題等の情勢の変化等について分析を行うとともに,我が国の対中東外交の方向性,今後の取組を議論した。
  • 混迷を続ける中東情勢について,地域の状況に関し,多角的な見方を包含しながら現状分析を行うとともに,我が国としてどのように対中東外交を展開していくべきかについて意見が交わされた。
  • エネルギー供給源や物流の要衝,市場として重要な中東・北アフリカ地域との経済関係の強化について議論を行い,地域的観点からの知見と課題, 今後の取組について認識を共有した。
  • シリアや湾岸地域の情勢,ISIL,難民等の観点から中東情勢に関して議論を行い,中東・北アフリカ地域の抱える課題の解決に向けて,我が国の強みを活かした取組を進めることの重要性を含め,今後の我が国の対応について認識を共有した。

(2)アフリカ地域駐箚大使

今年8月に初めてアフリカで開催されたTICADVIの成果を踏まえ,今後の対アフリカ外交及びTICADVIのフォローアップをテーマに意見交換を行った。
  • 今後の対アフリカ外交について,「自由で開かれたインド太平洋戦略」のアフリカにおける具体化,中国のアフリカ進出に関する情報収集・分析,国連安保理改革における対アフリカ戦略,安保理におけるアフリカ案件への我が国としての貢献について認識を共有した。
  • TICADVIのフォローアップについて,今後のTICADプロセスの進め方を共有し,TICADVIにおいて打ち出した取組を着実に実施するための案件形成及び日本企業のアフリカ進出支援や投資環境基盤整備について意見が交わされた。
  • 南スーダン情勢について,南スーダン及び関係国の動向や今後の見通しなどについて,意見が交わされた。

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