ペルー共和国
日・ペルー外相会談
平成30年8月14日
現地時間8月14日午前10時(日本時間8月15日午前12時)から約2時間30分,ペルーを訪問中の河野太郎外務大臣はネストル・ポポリシオ・ペルー共和国外務大臣(H.E.Mr.Nestor Popolizio, Minister for Foreign Affairs of the Republic of Peru)と外相会談を実施したところ,概要以下のとおりです。
- 冒頭,河野大臣から,西日本豪雨災害に関するペルー政府からの弔意声明に謝意を表した上で,3年連続となる外相会談開催は喜ばしく,この良好な関係をビスカラ新政権との間でも継続していきたい旨述べました。また,自由貿易推進の重要なパートナーとして,TPPの早期発効に向け,引き続き連携したい旨述べました。
- 河野大臣より,日本人移住120周年を迎える2019年の「日ペルー交流年」に向けて,様々な分野で両国の関係を深化させていきたい,その文化・学術面での交流強化の基盤として,南米のスペイン語圏で初めて国際交流基金の事務所をリマに設置することを決定した旨述べました。これに対し,ポポリシオ外相からは,ペルーの日系社会はペルー社会を豊かにすることに貢献してきた,ペルーとしても「日ペルー交流年」を機に日本との関係を一層強化していきたい,旨述べました。また,河野大臣からは,両国の投資・経済交流の促進のため,日本企業のビジネス環境,投資環境の改善への期待を表明しました。
- 河野大臣より,ペルーの総合防災,都市交通インフラ等の発展に貢献していきたい旨述べました。また,来年はペルーの地デジ日本方式採用10周年であること,日本は専門家派遣や機材供与などを通じてペルーの地デジ普及や人材育成に協力してきたことを指摘しつつ,ペルーの防災,教育,医療等の向上を図るためにも,ICTの様々な分野で二国間協力を進展させたい旨述べました。また,河野大臣より,学術交流等の推進についても言及しました。
- ペルーが国連安保理非常任理事国を務めていること等を踏まえ,二国間関係のみならず,安保理改革や核軍縮を始め,国連やグローバル課題への対応でも協力していくことを確認しました。双方は,北朝鮮情勢について,北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な廃棄(CVID)の実現や国連安保理決議の完全な履行について連携していくことで一致しました。さらに,拉致問題の早期解決について,ポポリシオ外相より支持を得ました。
ベネズエラ,ニカラグア等の地域情勢をとりあげ,ベネズエラ情勢については,リマ・グループ等のペルーのリーダーシップに敬意を表し,その情勢に対する懸念を共有しました。また,ペルーを含む太平洋同盟と日本の協力についても,対話の強化を始め種々の取組みについて有意義な意見交換を行いました。 - また,外相会談の後,日・ペルー外相共同記者発表が行われた他,河野大臣に対するペルー太陽勲章の授与式及びポポリシオ外相主催昼食会が行われました。