中南米

日・中南米有識者対話の開催

平成30年10月19日

  • 日・中南米有識者対話の様子1
  • 日・中南米有識者対話の様子2
  • 日・中南米有識者対話の様子3
  1. 開催日時:2018年10月11日(木曜日)13時30分~17時20分
  2. 開催場所:国際協力機構(JICA)市ヶ谷ビル 国際会議場
  3. 出席者:165名
  4. 概要
    外務省は、国際協力機構(JICA)との共催で、2018年10月11日に国際協力機構(JICA)国際会議場にて、「日・中南米有識者対話」を開催しました。本対話は「開かれた地域主義(Open Regionalism)-『質の高い成長』に向けた日本と中南米の相互協力」を総合テーマの下、日・中南米それぞれの有識者(一覧表)(PDF)別ウィンドウで開くの参加を得て3つのセッション(後述)で議論を行いました。その概要は以下の通りです。
    1. (1)開会式
       冒頭、外務省中前隆博中南米局長が冒頭挨拶に立ち、安倍総理大臣が2014年の中南米歴訪時に提唱した3つのJUNTOSProgredir Juntos(発展を共に)、Liderar Juntos (指導力を共に)、Inspirar Juntos(啓発を共に))のもと、基本的価値観を共有する日本と中南米地域がより強固で深化した協力と連携を通じ、自由で公正かつ透明な国際社会を構築していくためには何をすべきか議論することで、Inspirar Juntosにつながる交流が生まれることを期待すると述べました。
    2. (2)第1セッション「国際環境の変化と自由で開かれた国際秩序の構築」
       本セッションでは、ラテンアメリカ協会の工藤章理事がモデレーターを務めました。
       神戸大学経済経営研究所 桑山幹夫フェローは、「開かれた地域主義(Open Regionalism):日本とラテンアメリカの相互貿易・投資協力」と題してキーノートスピーチを行い、(1)「開かれた地域主義」はアジア太平洋地域(APEC)を中心に生まれた地域レベルの自由化概念で、“太平洋同盟”もこの流れを汲むものとも理解できる、(2)TPP11と日EU・EPAの基準はアジア太平洋の事実上(デファクト)の標準となり、保護主義の防波堤としてRCEP等の交渉を加速させる可能性を秘めている、(3)一方、メルコスールと日本のEPAは自由でオープンな経済圏の創出と強化に繋がる、(4)太平洋同盟とメルコスールとの関係強化も世界の自由で開放的な貿易体制維持に向けた重要なデモンストレーション効果を及ぼす、(5)日本と中南米諸国のEPAを地域課題の処方箋として活用することが、両地域の更なる発展と関係強化に繋がると説明しました。
       次に、メキシコ国際問題評議会(COMEXI)ソランジ・マルケス・エスピノサ評議員・研究員が「メキシコの新政権:国際社会におけるポジションと挑戦」と題してスピーチを行い、7月の選挙でオブラドール候補が次期大統領として選出され、メキシコは大きな変化の時を迎えている点を紹介し、また、NAFTA2.0にも言及しつつ、TPP11や石油開発・インフラ関連の大型プロジェクトに対する新政権の姿勢を説明しました。
       続いて、アルゼンチン国際関係評議会(CARI)エドゥアルド・アルベルト・サドゥス アジア委員会委員長がスピーチを行い、マクリ大統領政権の特色、OECD加盟申請や、中国との関係を説明の上、日本をはじめとする他アジア諸国との連携強化の重要性を指摘しました。
    3. (3)第2セッション「質の高い成長を目指して」-その実現に貢献する国際協力
       本セッションでは、米州開発銀行(IDB)中村圭介アジア事務所長がモデレーターを務めました。
       国際協力機構(JICA)研究所の細野昭雄シニア・リサーチ・アドバイザーがキーノートスピーチを行い、中南米諸国の“質の高い成長”に不可欠な安全で強靭な“質の高いインフラ”の実現を支援するJICAとIDBの協調融資プログラムや、安全且つ強靭で持続的な都市化や農水産業に関わる様々な日本の協力を、コロンビア、ブラジル、チリの事例を交えて紹介しました。また、包摂的で持続可能な成長には、APEC、IDB、OECDなどの国際機関や地域連携を通じた協力も効果が大きいと強調しました。最後に、今後の日本と中南米諸国のシンクタンクの連携・協力の可能性として、産官学の様々な分野の人々の参加する“質の高い成長”に関する情報交換や共同研究を提案しました。
       続いて、ブラジルのジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)オリバー・ストゥンケル准教授がスピーチを行い、南米におけるインフラ統合や効率化、透明性の確保といった制度的課題を説明の上、日本との協力拡大について述べました。
       次にチリのフィニス・テラ大学のアルベルト・アウグウト・ロハス・モスコソ教授が「チリ-日本関係:多面的コンテクストにおける協力機会」と題してスピーチを行い、2007年の日チリEPA締結、また両国が、太平洋同盟、TPP11、APECを通じて連携している点、APECに関しては、2019年にチリが議長国となる点等を挙げ、両国間の協力関係の重要性について強調しました。
       最後に、外務省経済局政策課の安部憲明企画官(前OECD代表部参事官)が「OECDの改革促進効果で目指すラテンアメリカの質の高い成長」と題し、OECDとの関係強化の動向(3カ国の既加盟国に加え、加盟審査中1カ国、審査開始待ち3カ国)の背景や双方の目的を説明しました。(1)OECD加盟や協力強化の狙いは「改革促進効果」、(2)欧米諸国に比べ審査期間が長いなど、加入に向けたハードルはまだ高いが、OECDは2016年に「ラテンアメリカ・カリブ地域プログラム」を創設するなど、地域対応を強めている、(3)日本も両者の関係緊密化と自らの2国間・地域外交の重層化に向け、工夫の余地は大きいと語りました。
    4. (4)第3セッション「安定した永続的関係の構築―日本の対中南米外交指針『3つのJUNTOS』の有効性」
       本セッションでは、東京大学の宮地隆廣准教授がモデレーターを務めました。
       上智大学の堀坂浩太郎名誉教授がキーノートスピーチを行い、(1)従来、日本とラテンアメリカ諸国は、政治・外交・通商面での直接の緊張関係が薄いこともあって、お互いに関心が低い関係であったが、安倍政権発足後は、首相の中南米訪問回数が増えるなど様相は一変した、(2)特に、2014年に発表した対中南米指導理念、3つのJUNTOSは特定地域を対象としたもので、他の地域にも例のないユニークな政策理念、(3)自国主義の機運が強まる今日の国際政治において、逆に重要な意味合いを帯びたメッセージになっていると述べました。
       次に、国際協力機構(JICA)前田 秀理事がスピーチを行い、JICAのビジョンとも整合する3つのJUNTOS に沿ったJICAの中南米での取り組みを紹介しました。(1)“発展を共に”では、中南米の国と共に他途上国地域の開発を支援するパートナーシップ・プログラム、(2)カントリーリスク軽減や民間資金の呼び水となる海外投融資事業でのブラジル穀物企業への投資や貸付、(3)“主導力を共に”では、メキシコやチリとの中南米の地震災害国への地震対策などの防災支援の主導、(4)“啓発を共に”では、日本の協力で地域警察システムを構築したブラジルとの中米地域への共同普及、そして、チリの赤潮対策では日・中南米双方の産官学連携での赤潮フォーキャストシステムの構築、(5)さらには、日系社会をパートナーとした“啓発を共に” “発展を共に”双方に係る具体的事例を紹介、(6)民間連携、大学連携、日系社会連携を含めたAll JapanでのJUNTOSへの取り組みを呼びかけました。
       最後に、モデレーターから3つのJUNTOSとの関連した日本への期待を問われ、4人の中南米有識者から、高速鉄道の技術移転、G20間のシンクタンク交流、国会議員、学者・学生、ジャーナリストなどの交流拡大、気候変動等への取組主導,メデイアの技術発展と多様化の時代にあった新たな民主主義モデルの提案や共同研究など、日本の積極的な役割を期待するとの発言が出されました。
    5. (5)閉会
       国際協力機構(JICA)前田 秀理事が、日本と中南米の有識者が一堂に会した貴重な意見交換が実現し感謝するとの閉会挨拶を行いました。

関連リンク


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