中南米

平成30年2月9日

チリの日系社会の皆様,並びに日系国際スポーツ親善大会にお越しの皆様

 日系国際スポーツ親善大会の開催にあたり,日本政府及び日本国民を代表して心よりお祝い申しあげます。

 日本とチリは昨年,外交関係樹立120周年を迎えました。昨年9月末から10月初めには秋篠宮同妃両殿下がチリを訪問され,フレイ元大統領が訪日されました。このような時期に,チリで日系国際スポーツ親善大会の記念すべき50周年大会が開催されることを大変嬉しく思います。

 チリへの日本人の移住は,各々の方が,新天地で将来を切り開くとの大きな志をもってチリを目指したとうかがっています。そして,様々な困難を乗り越えて現在に至り,その過程でチリ社会からの信頼を培ってきたと承知しています。皆様の御努力もあり,両国関係は着実に進展してきました。今日の地位を築かれた先人,ここにいらっしゃる皆様に心からお礼申し上げます。また,私たち日本国民としても,強固な両国関係が皆様の苦労と努力に支えられていることを一層認識し,そこに一層の価値を見いだしていく必要があると考えております。

 安倍総理は「日系の皆さんが築いてこられた信頼こそ,日本に対する信頼の基礎です。私たちは,日系人の皆さんにとって誇りのもてる国になっていきたい」と述べ,日系人との絆を大変重視しています。昨年,外務大臣の下に「中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会」を設置し,有識者の方々から日系社会との連携強化に向けた有意義な報告書をいただきました。日本政府はこの報告書を踏まえ,様々な連携,協力の施策をとり進めています。また,私自身,中学1年生の時の初訪米に際し,米国の日系人の方に御世話になって以来,現在にいたるまで日系人の方々と積極的に交流をしています。外務大臣に就任してから,残念ながら中南米を訪問したことはありませんが,米国,カナダを訪問した際には,現地の日系人の方々と交流させていただきました。

 そのような中で,この度チリの日系社会が一丸となって節目となる50周年の日系国際スポーツ親善大会を開催するはこびとなったことに強い感慨を覚えます。関係者,参加者の皆様に心より敬意を表すると共に熱いエールを送りたいと思います。記念すべき今回の大会開催をきっかけにチリが世界の日系社会の一層発展を牽引していくことを期待します。

 日系国際スポーツ親善大会は,スポーツを通じて各国の日系社会の連携を促し,また,日系人としてのアイデンティティを改めて確認する機会を提供する有意義な大会です。
 日本は2年後に東京オリンピック,パラリンピック競技大会を開催します。今後,スポーツを通じて一層の国際交流・協力に力を入れて参ります。

 御出席の皆様,スポーツを大いに楽しんで下さい。感動して下さい。そして,チリをはじめとする各国の日系社会の一層の発展,連携に向けて共に汗を流そうではありませんか。御協力をお願い致します。

 最後に,チリ日系社会と日系国際スポーツ親善大会の益々のご発展とご出席の皆様の御健勝を祈念するとともに,ご協力いただいたチリ政府に感謝申しあげます。

平成30年(2018年)2月9日
日本国外務大臣
河野太郎


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