中南米

平成29年11月3日

ペルー日系人協会の皆様,並びに第19回パンアメリカン日系人大会にお越しの皆様

 日本国外務大臣の河野太郎です。
 ペルー日系人協会創立100周年及び第19回パンアメリカン日系人大会の開催にあたり,日本政府及び日本国民を代表して心よりお祝い申し上げます。

 本年は日本人が中南米への移住を開始して120年の節目の年です。ペルーでは日系人協会創立100周年の年でもあります。今日,ペルーには10万人を超える日系社会が存在しますが,過去には幾度もの困難な時期があったと承知しています。そうした時期をペルーの日系人の方々は一致団結して乗り越え,今や世界第三位の規模の日系社会に成長し,ペルーの社会に対しても重要な貢献をされていると聞いております。日系人協会が運営する日秘総合診療所は年間の利用者が100万人を超え,リマ市民に欠くことの出来ない医療サービスを提供しています。また,日ペルー劇場はペルーにおける最大規模の文化施設の一つとして,今日のペルーの文化活動を支えています。このように外に開かれた形で行われている日系社会の貢献はペルー国民から高く評価されており,ペルーに日本人移住者が初めて到着した4月3日は「ペルー・日本友好の日」とされ,ペルー国会などで記念式典が実施されていることは私たち日本人にとって大きな誇りになっています。2年後の2019年には,ペルーへの日本人移住120周年を迎えますが,昨年の日ペルー首脳会談において2019年を日ペルー交流年として盛大にお祝いすることで両首脳は一致しました。今後,ペルー政府,ペルー日系人協会と協力して日ペルー交流年を盛り上げていこうと思います。

 また,米州の日系人の皆様が一同に集うパンアメリカン日系人大会は,今回で19回目を迎えられたと伺っていますが,海外で多数の日系人の方々が定期的に一堂に会する唯一の会合であり,また,日系人としてのアイデンティティやリーダーシップなどについて改めて考える機会を提供する有意義な大会と承知しております。

 安倍総理は日系人の皆様との絆を大変重視しています。2014年にブラジルを訪問した際に,安倍総理は「日系の皆さんが築いてこられた信頼こそ,日本に対する信頼の基礎です。私たちは,日系人の皆さんにとって誇りのもてる国になっていきたい」と述べました。また,安倍総理は米国や中南米地域を訪問した際には,現地の日系社会と交流する機会を設けてきました。ペルーにおいても,昨年11月に安倍総理が公式訪問した際に,700名を超える日系人の皆様から熱烈な歓迎をいただきました。

 また,私自身,日系人の皆さんとの関係を非常に重視しており,多くの日系人と交友を交わして参りました。先日米国を訪問した際には,現地の日系米国人の皆さんとともに,国立日系米国人慰霊碑に献花をして参りました。私は,我々日本人は日系人のことをもっとよく知るべきであるとかねてより訴えてきております。そして,深い相互理解のもと,日本人と日系人の素晴らしい連携をより強固に築くことができれば素晴らしいと考えております。こうした中で,本年,政府は「中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会」を設置し,有識者の方々から日系社会との連携強化に向けた有意義な提言をいただきました。新しい世代の対日関心の育成や在日日系社会への支援などについてオールジャパンで取り組むよう提言をいただきました。また,私自身,先日東京で行われました第58回海外日系人大会に際し,レセプションを開催し,多くの日系人の皆さまから大変有意義なお話しをお伺いすることができました。今後も,日系社会との絆を深めるべく一層努めていく所存です。

 最後に,ペルー日系人協会とパンアメリカン日系人大会の益々のご発展とご出席の皆様の御健勝を祈念しまして,私からの挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。


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