中南米

令和元年7月8日
辻外務大臣政務官の太平洋同盟関連会合出席(結果)1
辻外務大臣政務官の太平洋同盟関連会合出席(結果)2
辻外務大臣政務官の太平洋同盟関連会合出席(結果)3
7月5日(金曜日)(現地時間),辻清人外務大臣政務官は,ペルーのリマで第14回太平洋同盟首脳会合にあわせて開催された太平洋同盟閣僚とオブザーバー国との会合に,オブザーバー国である日本代表として出席しました。また,太平洋同盟の各国の外相を含むハイレベルの出席者と会談や懇談を実施したところ,概要以下のとおりです。

1 会合概要

(1)会合では,辻政務官は,太平洋同盟諸国外相とオブザーバー国の会合に出席し,太平洋同盟は日本と中南米の連結性を強化する上で重要なパートナーであり,今般文書交換式を行う共同宣言及び行動計画に基づき,協力を積み重ねることで日本と中南米の協力の地平を国際場裏にも拡げていきたい旨述べました。

(2)対話テーブルの議長を務めたポポリシオ・ペルー外務大臣からは,太平洋同盟4か国とオブザーバー国の公的セクターのみならず,民間,市民社会,学術界を巻き込んだ協力を具体化させていきたい,また,4か国は中所得国であり,協力形態が三角協力,南南協力等変遷しており,オブザーバー国と知見を共有していきたいとの方針が表明されました。

2 日本と太平洋同盟との連携に係る共同宣言及び行動計画の文書交換式

(1)今次出張の機会に,辻政務官及び太平洋同盟諸国の閣僚の出席の下,今後の日本と太平洋同盟との協力の枠組みを定める共同宣言及び行動計画(PDF)の文書交換式が執り行われました。なお,これらの文書には,日本側からは,河野太郎外務大臣が予め署名を行い,太平洋同盟側からは,外務大臣及び貿易担当大臣が同式典の場で署名を行いました。

(2)文書交換式に当たり,辻政務官からは,昨年の日・太平洋同盟閣僚級会合のフォローアップとして纏めた共同宣言及び行動計画は,日本と太平洋同盟が外交の方向性を同じくすることの象徴であり,今後太平洋同盟との絆を一層強めていきたい旨述べました。

3 バイ会談

(1)ポマレダ・ペルー外務副大臣との会談


辻政務官からは,太平洋同盟議長国としてのペルーのリーダーシップに敬意を表するとともに,緊密な二国間関係をさらに深化させ,ルールベースの秩序の推進のため協力していきたい旨述べました。これに対し,ポマレダ外務副大臣は,太平洋同盟議長国として,日本をはじめとするオブザーバー国との協力を重視している旨述べるとともに,二国間でも多くの協力が進展しており,日本の協力に感謝する旨述べました。この他,双方はベネズエラ情勢についても意見交換を行いました。

(2)リベラ・チリ外相との会談


辻政務官からは,リベラ外相の就任をお祝いし,同政務官が出席したAPEC貿易担当大臣会合におけるチリの議長国としてのリーダーシップに敬意を表するとともに,基本的価値を共有する戦略的パートナーとして二国間関係及び国際場裏において引き続き協力していきたい,また,G20大阪サミットの際に,ピニェラ大統領夫妻立ち会いの下,高齢化社会対策に関する協力覚書に署名することができ大変喜ばしい旨述べました。加えて,TPP11について,チリの国内手続の早期完了への期待を述べました。これに対し,リベラ外相は,祝意に感謝の意を述べるとともに,今年のG20のチリへの招待に感謝する,TPP11は自由で開かれた経済の確保のために重要であり,日本との二国間関係のみならず国際場裏でも引き続き協力していきたい旨述べました。この他,双方はベネズエラ情勢についても意見交換を行いました。

(3)トゥルヒージョ・コロンビア外相との会談


辻政務官から,コロンビアは太平洋同盟の中でも関係強化の余地が大きい国であり,両国の関係推進に努めたい旨述べました。これに対し,トゥルヒージョ外相は,日本とコロンビアは,基本的価値を共有する重要なパートナーであり,昨年の租税条約の署名等,経済分野をはじめ,両国関係が一層緊密化しており喜ばしい,今後もこうした関係を一層強化していきたい旨述べました。この他,双方はベネズエラ情勢についても意見交換を行いました。

(4)エブラル・メキシコ外相との会談


辻政務官から,5月のビジネス環境整備委員会をフォローアップするとともに,自由で開かれた経済の推進のためにメキシコと協力していきたい旨述べたのに対し,エブラル大臣から,メキシコの直面する移民問題に対する対応を進めていく旨説明が行われたところ,辻政務官から,メキシコのイニシアティブを尊重し,賛同する旨述べました。

(5)バレンシア・エクアドル外相との会談


辻政務官から,昨年の日本・エクアドル外交関係樹立100周年時の多くの要人往来のモメンタムを活かし,両国の政治・経済関係や人的交流が一層発展することを期待する旨述べました。これに対し,バレンシア外相は,モレノ大統領就任の政策について説明するとともに,日本と通商をはじめとする二国間関係を引き続き強化していきたい旨述べました。また,双方はベネズエラ情勢についても意見交換を行いました。

(6)メメディヤロフ・アゼルバイジャン外相との会談


辻政務官から,昨年9月の河野大臣のアゼルバイジャン訪問に際するメメディヤロフ外相のもてなしに謝意を述べるとともに,二国間関係の更なる強化のために同訪問の成果をしっかりフォローしていきたい旨述べました。これに対し,メメディヤロフ外相からは,引き続き二国間関係を強化していくとの意向が表明されました。また,双方は地域情勢についても意見交換を行いました。

(7)エストラーダ・グアテマラ外務次官との会談


辻政務官からは,8月に中南米対日理解促進プログラムJuntos!!により,グアテマラを含む中米及びキューバから若手関係者を日本へ招へいすることに言及するとともに,こうしたプログラムにより日・中南米間の人的交流が益々活発になることを期待する旨述べました。これに対し,エストラーダ次官は,日本の招へいプログラムによる二国間関係緊密化への期待を述べるとともに,中米で大きな経済規模を誇るグアテマラに対するこれまでの日本の協力や昨年6月のフエゴ火山噴火に際する日本の緊急支援等に対して謝意を述べました。

(8)セラト・ホンジュラス外務次官との会談


辻政務官から,3月のアグエロ外相訪日時に行われた政策協議の枠組み設立にかかる覚書に言及し,二国間関係促進の好機である旨述べました。これに対し,セラト外務次官からは,コーヒー等ホンジュラス産品の対日輸出増加への関心が表明された他,2020年の日・ホンジュラス外交関係樹立85周年の機会への期待について述べました。

[参考]太平洋同盟(The Pacific Alliance)
コロンビア,チリ,メキシコ,ペルーからなる中南米の太平洋側諸国の経済統合体。2011年4月設立。加盟国間で自由貿易協定を締結しており,設立の大きな目標として加盟国間の経済連携の更なる深化とアジア太平洋地域との関係強化を掲げる。日本は2013年1月にオブザーバー参加。2018年9月には,日・太平洋同盟閣僚級会合を実施し,日・太平洋同盟の具体的な協力に結実することへの期待が双方から表明されていた。

中南米へ戻る