パナマ共和国
日・パナマ外相会談
令和3年7月18日



パナマ共和国を訪問中の茂木敏充外務大臣は、現地時間7月18日午前10時30分(日本時間19日午前0時30分)から1時間15分、エリカ・モイネス外相(H.E. Ms. Erika Mouynes, Minister of Foreign Affairs of Panama)との間で外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、茂木大臣から、日本の外務大臣として8年ぶりにパナマを訪問した、日本とパナマは基本的価値を共有し、長い友好関係を有しており、また、日本がパナマ運河の主要利用国であることに触れつつ、二国間関係のみならず法の支配に基づく国際秩序の維持・強化のため連携を深めていきたいと述べました。これに対して、モイネス外相から、茂木大臣のパナマ訪問を歓迎し、日本・パナマ関係の強化を図っていきたいと述べました。
- 茂木大臣から、世界が新型コロナを乗り越えるべく戦っている中で、東京オリンピック・パラリンピックを安心安全な大会として開催し、世界の絆を深める機会としたいと述べたのに対して、モイネス外相から、東京オリンピック・パラリンピック開催を賞賛するとの発言がありました。
- 茂木大臣から、2016年の拡張パナマ運河の運用開始によりエネルギー安全保障の観点からパナマ運河の重要性が増したことを述べ、パナマ運河の安全かつ安定的な運航の重要性、良好な利用環境確保の観点から引き続き緊密に協議して行くことを要請しました。モイネス外相から、日本はパナマ運河の主要利用国であり、引き続き連携していきたいと述べました
- 茂木大臣から、新型コロナ感染症への対応には国際協調が何より重要と考えているとして、パナマに対して医療関連機材供与等の支援を行っている旨述べ、また、パナマ首都圏都市交通3号線の円借款事業に言及しつつ、質の高いインフラ整備を通じてパナマの持続可能な成長に貢献していきたいと述べました。モイネス外相から、日本の経済協力に対する謝意が表明されるとともに、日本のワクチン供与への国際貢献に賞賛の意が表されました。
- 両大臣は、日本とパナマの経済関係を促進すべく、両国政府とビジネス関係者が参加する経済対話を早期に実施することで一致しました。モイネス外相は、来年に官民ミッションを日本に派遣する、コロナで深刻な影響を被ったパナマ経済の回復のため、投資とファイナンス分野で日本の協力に期待すると述べました。茂木大臣から、ポストコロナの経済では、グリーンとデジタルが鍵となる、また、質の高いインフラ整備が重要であると指摘し、両大臣は具体的な協力を進めることで一致しました。
- 茂木大臣から、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた日本の取組を紹介し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のため連携していくことを呼びかけ、モイネス外相からは,日本のリーダーシップを評価するとの発言がありました。また、両大臣は北朝鮮、東シナ海・南シナ海等の東アジア情勢、中南米情勢について意見交換を行いました。モイネス外相から、日本の関心,懸念を共有する、パナマは多国間主義を重視する中で、日本との意思疎通を強化していきたいと述べました。茂木大臣から、拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を要請しモイネス外相から支持を得ました。
- さらに、両大臣は、気候変動やWTO、国連など国際場裡における協力についても話し合い、国際場裡で引き続き連携していくことが確認されました。