中南米
宇都外務大臣政務官のセントルシア,ガイアナ,トリニダード・トバゴ及びパナマ訪問
平成27年1月13日
宇都隆史外務大臣政務官は,1月6日から1月13日までの日程で,セントルシア,ガイアナ,トリニダード・トバゴ及びパナマを訪問しました。同訪問に関する全体的評価と概要は以下のとおりです。
1.全体的評価
- セントルシア及びガイアナでは,二国間の対話・交流の強化,日本とカリコム(カリブ共同体)との協力関係強化,国連安保理改革における立場の収斂に向けた努力を含む国際場裡における連携の一層の強化を確認しました。
- ガイアナへの我が国政務レベルの訪問は初めてであり,カリコム事務局本部も往訪し,カリコム全体の直面する諸課題につき意見交換すると共に連携強化を確認しました。
- 経由で立ち寄ったトリニダード・トバゴでは,カリコム諸国の大学として機能している西インド諸島大学セント・オーガスティン校を訪問し,大学間交流を進めていくことにつき具体的議論をしました。
- パナマでは,2015年の日・中米交流年の幕開けの訪問となり,海事分野や国連安保理改革をはじめとする二国間の協力関係の更なる緊密化並びに日・中米関係の一層の強化が図られました。
- いずれの国においても,日本の経済協力の活用状況等の視察,現地で活躍する日系企業と懇談,援助関係者の激励等を行いました。
2.概要
(1)セントルシア(平成27年1月7日~8日)
(ア)宇都政務官は1月8日,バプティスト外相と会談し,2014年の日・カリブ交流年に開催された日・カリコム首脳会合及び外相会合をフォローアップし,対話・交流,安保理改革における立場の収斂に向けた努力を含む国際場裡における連携を一層強化することを確認しました。バプティスト外相からは,これまでの日本の経済協力への高い評価とともに,ハリケーンや集中豪雨による被害状況について具体的に述べつつ,所得基準のみに拠らない支援の重要性を訴え,日本の理解への深い感謝と共に更なる協力への期待等が示されました。
(イ)この他,宇都政務官は,セントルシアで活躍するJICA,青年海外協力隊員等の援助関係者と懇談し,日本の経済協力による水産施設の視察等を行いました。
(2)ガイアナ(平成27年1月9日)
(ア)日本の政務として初めてガイアナを訪問した宇都政務官は,9日,ハインズ首相及びベン公共事業相(外相臨時代理)と,また,カリコム事務局本部にてラロック事務局長とそれぞれ会談しました。これらの会談では,2014年の日・カリブ交流年に開催された日・カリコム首脳会合及び外相会合をフォローアップして対話・交流を強化することで一致したほか,安保理改革における立場の収斂に向けた努力を含む国際場裡における協力等について幅広く意見交換しました。先方からは,日本の協力が開発努力に向けた自信やモラル向上にもつながっている等の評価が示されたほか,所得基準に拠らない支援の重要性についての日本の理解への深謝と共に,国際社会の場においてもかかる視点の導入について日本の支援を得ていきたいとの強い要望が示されました。
(イ)また,東デメララ貯水池修復に関する日本の経済協力サイトの視察を行ったほか,現地の国際機関等において開発援助で活躍する在留邦人と懇談しました。
(3)トリニダード・トバゴ(平成27年1月10日)
宇都政務官は,10日,経由のためトリニダード・トバゴに立ち寄った際,西インド諸島大学セント・オーガスティン校を訪問し,日本の大学との大学間交流の方途について意見交換したほか,日本企業関係者や開発援助に携わる日本人専門家と現地での活動状況,ビジネス環境等について懇談しました。
(4)パナマ(平成27年1月11日,12日)
(ア) 宇都政務官は,11日,我が国が世界第4位の利用国であるパナマ運河の拡張工事現場等の視察を行ったほか,日系企業関係者と現地での活動状況,ビジネス環境等について懇談しました。
(イ)また,12日,サイン・マロ副大統領兼外相及びキハーノ運河庁長官とそれぞれ会談しました。2015年は,パナマを含む中米統合機構諸国との日・中米交流年であり,この機会に交流を活性化し,協力関係を強化していくことを確認すると共に,海事関係や国連安保理改革をはじめとする様々な分野での協力の更なる緊密化,適正な運河料金の設定の重要性等で一致しました。また,日本人学校を訪問したほか,現地で活躍する青年海外協力隊員等援助関係者と懇談し,我が国が経済協力を実施している下水処理施設の視察を行いました。
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