
日本・イラン外相会談(ポイント)
平成17年2月28日
2月27日、麻生外務大臣はモッタキ・イラン外相との間で午後6時から午後8時まで会談、午後8時10分から午後9時頃まで夕食会の合計約3時間にわたり会談したところ、主なポイントは以下のとおり。
1.核問題
(1)麻生大臣より次のとおり述べた。
- 我が国は唯一の被爆国。核問題は国民にとって非常にセンシティブな問題。
- イランが原子力の平和的利用の権利を有すること自体に疑いはないが、権利の行使にはイランが過去の保障措置協定違反で損なわれた国際社会の信頼を回復することが必要。2月4日のIAEA特別理事会において中、露を含む27か国が決議に賛成したことを重く受け止めて欲しい。
- イランに対する信頼回復がなされてない中でイラン国内でのウラン濃縮に固執すれば、問題解決を困難にするだけ。我が国もロシア提案に関するイランとロシアの協議が問題の外交的解決の糸口になることを期待。
(2)これに対し、モッタキ外相より、次のとおり述べた。
- 核問題についてのイランの友人からの率直な発言と受け止めたい。
- イランは30年間以上に渡りNPTのメンバー。懸念払拭のために自発的措置を3年間とってきた。新政権は、平和と正義に基づく立場をとっている。原子力の平和的利用は権利であり差別的な扱いは受け入れられない。
- ロシア提案については未だ協議中である。
- 現在の活動は研究開発、実験室規模に留まる。
2.二国間関係
- モッタキ外相より、両国間の政治、経済、文化等包括的な関係強化、近年の貿易規模の拡大に言及しつつ、今後の投資拡大、観光振興、文化面での協力進展に期待する旨発言。