平成17年5月25日
5月24日(月曜日)11時45分~13時10分、ホテル・ニューオータニ「久兵衛」
(1)当方:小泉総理、町村外務大臣、川口総理大臣補佐官、小島駐シンガポール大使
(2)先方:リー・シェンロン首相、ジョージ・ヨー外務大臣、タン駐日大使、コーシカン第二外務次官
(1)日中関係、歴史問題
リー首相より、日中関係についてはお互いに立場の違いを認め合う関係となることが重要である旨述べるとともに、シンガポールの対中外交につき紹介があった。
リー首相より、シンガポールとの間では日本は前向きな協力関係を構築してきたことを理解している旨の発言があった。また両首脳は、歴史問題の解決には時間をかけて未来に向けて対処していく必要があるとの認識で一致した。
(2)自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)
総理より、日本がシンガポールと最初にEPAを締結したことを契機として、現在、他国との交渉が促進されている旨述べるとともに、経済活性化のためにも外資受け入れは重要である、中国との関係においても、これを「脅威」ではなく「好機」と捉えるべきとの認識を述べた。リー首相は、全ての投資が中国に向かうという一極構造は適当ではなく、ASEANの統合強化に日ASEAN間で協力していくことが双方にとり有益である、日ASEAN間のFTAも重要である旨述べた。
(3)東アジア・サミット
両首脳は、ASEAN+3との整合性に留意しつつ、東アジア・サミットの開催頻度等のモダリティーにつき外相間で議論を深めていくことにつき一致した。
(4)海賊対策
両首脳は、日本とシンガポールが他国に先駆けて署名した海賊対策地域協力協定に関し、沿岸関係国に締結を働きかけていくことの重要性につき一致した。リー首相より、海賊・テロ対策においては、沿岸国に理解を求めるとともに、能力向上の支援をしていくことが重要である旨述べた。
(5)インドネシア情勢
リー首相より、インドネシアにとっては経済成長と雇用拡大が重要であり、かかる観点から、日本がインドネシアの投資・ビジネス環境改善の取組みを重視していることを評価する、ユドヨノ・インドネシア大統領の訪日の成果に対して期待している旨述べた。
(6)国連安保理改革
総理より、国連安保理改革に向けシンガポールと協力していきたい旨述べたところ、リー首相より、シンガポールは日本の常任理事国入り及び常任・非常任双方を拡大した形での安保理改革を支持している旨述べた。