東京、2005年5月26日
小泉純一郎日本国内閣総理大臣及びルイース・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ・ブラジル連邦共和国大統領は、
現在及び将来の世代の利益と福祉のための持続可能な開発の推進へ向けた強固な意思を表明しつつ、
1992年にリオデジャネイロにおいて開催された「国連環境開発会議」及び2002年にヨハネスブルクにおいて開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」における目標の更なる達成を目指して共に努力していくことを希望しつつ、
持続可能な資源管理、環境面で健全な技術やサービスを含めた持続可能な開発の分野における二国間の緊密且つ長期的協力の機会が数多く存在することを認識しつつ、
両国間の協議及び協力を進めるため、持続可能な開発のためのコモン・アジェンダを打ち出すこととした。
コモン・アジェンダは、とりわけ下記の各分野を含むものとする。
気候変動、オゾン層の保護、生物多様性、森林資源の持続的利用、砂漠化、海洋生物資源の持続的利用を含む沿岸地帯管理及び海洋関連事項、淡水資源、有毒・有害廃棄物、公害制御、都市政策、災害管理、3R(廃棄物の発生抑制、資源の再使用及び再生利用)を含む持続可能な消費・生産等の環境面での優先的課題についての情報及び見解の交換、
持続可能な開発及び環境問題に関連する多国間のフォーラム、特に持続可能な開発委員会、国連環境計画、及び環境分野における国際的合意の当事国間会合等において取り扱う諸課題に対する双方の立場に関する協議、
「国連環境開発会議」において採択された「アジェンダ21」の目標を実施するための国家的戦略の展開にかかる経験の交換、
両国が関心を有する問題、特に、リモートセンシングを含む環境評価及びモニタリング分野における課題に取り組むための、環境面で健全な技術についての情報の交換、
エネルギー供給、代替エネルギー資源の開発、及びバイオ資源の保全と持続的利用の分野における経験と情報の交換、
「国連持続可能な開発のための教育の10年」及び環境保護における取り組みに関する情報の交換、及び
持続可能な開発及び環境保護に関する法制定及び法律の施行に関する情報の交換。
関係政府機関の参加の下、2004年3月に発足した「日伯環境対話」を、このコモン・アジェンダの目標を進捗させ、上述の事項及びその他双方が関心を有する環境問題についての二国間での議論と協力を促進させるための協議の場とする。
「持続可能な開発のためのコモン・アジェンダ」を実施するにあたっては、日本国外務省、及びブラジル連邦共和国外務省が中心的役割を果たすものとする。