主な要人の来日日程

国際問題における日本国とブラジル連邦共和国の協力に関する共同声明

東京、2005年5月26日

小泉純一郎日本国総理大臣及びルイース・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ・ブラジル連邦共和国大統領(以下「両首脳」という。)は、

2004年9月16日の日本国とブラジル連邦共和国との間の共同声明を想起し、

日本国とブラジル連邦共和国との国際問題における協力が益々重要となってきていることを認識し、

日本国及びブラジル連邦共和国の政府が、以下の問題につき引き続き協力していくことを共に決意した。

1. WTO

両首脳は、多角的貿易体制の維持と強化が、両国の発展、途上国の開発及び世界経済の発展に不可欠であることを改めて強調した。2005年12月の香港における第六回閣僚会議までWTOメンバーに残された時間は決して多くないことを認識し、各メンバーが7月中の「たたき台」の作成に向けて、柔軟かつ建設的に協力すべきことを再確認した。このために、両首脳は、ドーハ・ラウンドの成功裡の妥結に向け協力していくこととし、他のメンバー国に対して、ドーハマンデートと7月合意に沿って、開発について特に留意しつつ、全ての分野、特に農業、鉱工業品に対する市場アクセス、サービス、及び貿易円滑化、ルールに関して、同等の野心を持ちつつ、ドーハ開発アジェンダにおける開発の側面の実現とドーハラウンドの成功を確保するために交渉に取り組むよう呼びかけることとした。

2. 環境

両首脳は京都議定書の発効を歓迎し、これは地球温暖化に対する国際的な取組において重要な一歩であることを確認した。また、両首脳は、日伯共同議長で「気候変動に対する更なる行動」に関する非公式会合の開催、日伯環境対話の継続など、引き続き気候変動を含む環境分野における両国の協力が強化されていくことを確認した。両首脳は、更に、京都議定書上のクリーン開発メカニズム(CDM)に関し、国際協力銀行(JBIC)とブラジルの科学技術省の間の業務協力に関する取決めに言及し、両国間の取組が一層進むことに期待を表明した。両首脳はまた、持続可能な開発及び持続可能な森林経営を実現するため、UNFF(国連森林フォーラム)の強化、特に、森林伐採への取組に対する国内の対策・措置を支援する国内的及び国際的能力の強化を通じ、国際協力の促進やITTOの活動促進の重要性を再確認した。両首脳はまた、4月に日本で開催された3Rイニシアティブ閣僚会合の成果を歓迎した。さらに両首脳は、地球環境問題に対する一般国民の関心を高め、個人レベルのライフスタイルの変革を含む具体的な行動の重要性を強調するため、「国連持続可能な開発のための教育の10年」の推進に向けた努力を歓迎した。

3. 軍縮・不拡散

両首脳は、大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散の脅威に対抗し、核軍縮を促進し、並びに小型武器及び地雷といった通常兵器の過剰な蓄積を除去するため、以下の取組を通じ、国際的な軍縮・不拡散体制の強化に向けて協力していく決意を確認した。

(1)国際的な軍縮・不拡散に関する条約及び規範の普遍化並びにその国内的実施の強化

(2)実効的な輸出管理制度の強化

(3)国際原子力機関(IAEA)の活動への支持

(4)国際法に基づき、核兵器、生物兵器、化学兵器、その運搬手段及び関連物質の不法取引を防止することを目的とした多国間の取組における協力

(5)国連小型武器行動計画の実施の促進

(6)国連安保理決議1540の履行確保のための協力をはじめとする軍縮・不拡散分野における国連の活動に対する協力

(7)地雷被害国に向けた協調的で物資の支援も含む努力

このページのトップへ戻る
前のページへ戻る | 目次へ戻る