野田総理大臣

日英首脳会談及びワーキングディナー(概要)

平成24年4月10日
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  • (写真)キャメロン英国首相と野田総理大臣(写真提供:内閣広報室)
    (写真提供: 内閣広報室)
  • (写真)日英首脳会談(写真提供:内閣広報室)
    (写真提供: 内閣広報室)

 10日(火曜日),18時30分から20時15分まで,野田総理は,公式実務訪問賓客として来日したデービット・キャメロン英国首相(Rt Hon David Cameron MP, Prime Minister of the UK)と,首相官邸において日英首脳会談及び公邸において総理主催ワーキングディナーを行った。

  1. 冒頭
    野田総理から,キャメロン首相に対し,昨年11月のカンヌサミットに続きお会いできて嬉しい旨述べ,震災後一年に際しキャメロン首相からのメッセージに感謝し,日英関係は世界の繁栄と安全保障を共に追求する旨述べた。これに対し,キャメロン首相からは,首相として初来日できたことは嬉しい,日英は良き貿易相手国であり,同盟(ally)関係にある旨述べ,地震や津波に際する勇気と回復力に感銘を受けており,英国はこれからも日本人を支援したい旨述べた。また,両首脳は,今次会談において北朝鮮等について意見交換することで一致した。
  2. 二国間関係
    (1)野田総理から,今次訪日に際し,日英が重要なパートナーであることを再確認する日英共同声明(「世界の繁栄と安全保障を先導する戦略的パートナー」)を発出できることは喜ばしく,安全保障に関しては,外相戦略対話,今後防衛当局間で作成される覚書,情報保護協定の交渉開始及び防衛装備品等の共同開発・生産に向けた取組等を通じた二国間の安全保障・防衛協力の一層の深化への期待を表明した。更に,在英日本企業の活動が英国経済に貢献することへの期待や原子力安全向上等のために互いの知見等を共有する意義に触れつつ,本年の女王陛下ご即位60周年,ロンドン五輪等の行事を契機に日英関係を発展させたい旨述べた。
    (2)これに対し,キャメロン首相は,外相戦略対話の立ち上げ等は意義深く,中身のある強力な共同声明の発出を喜び,防衛や原子力の分野における協力の可能性について期待を述べた。
  3. 日EU・EPA,欧州債務危機
    両首脳は,欧州債務危機に関するユーロ圏のこれまでの取組やIMF資金基盤強化について両国の立場を説明した後,野田総理から,日EU・EPA交渉開始に向けたキャメロン首相への期待を述べた。これに対し,キャメロン首相は,日EU・EPAに関して英国は日本を強力に支持しており,他国への説得のためにも,非関税障壁への取組に対する野田総理の指導力に感謝する旨述べた。
  4. 国際場裡における協力
    (1)野田総理から,北朝鮮のミサイル発射は我が国の安全保障上の脅威であり,発射されれば安保理決議違反であると指摘し,英国を含む各国と緊密に連携し強く自制を求める旨述べた。これに対しキャメロン首相は,日本と立場を完全に共有する旨述べた。また,両首脳は,イランの核問題に対する懸念を共有ししていることも確認し,EUのイラン産原油の輸送等に係る保険・再保険に対する措置の影響について意見交換を行った。
    (2)両首脳は,ミャンマーや中東情勢等地域情勢やロンドン五輪等についても意見交換を行った。